WEEKLY PICKUP 080 TOM JOHNSTON
WEEKLY PICKUPは、70年代を中心にしたロックの埋もれそうな名盤・迷盤を紹介しています
Everything you've heard is true(1979)


  1. Down Along The River
  2. Show Me
  3. Svannah Nights
  4. I Can Count On You
  5. Small Time Talk
  6. Reachin' Out For Lovin' From You
  7. Outlaw
  8. Man On The Stage
  • Tom Johnston : vocals, guitar
  • Jim Keltner : drums on �キΝ�
  • Rick Shlosser : drums on �´↓�
  • David Garibaldi : drums on ��
  • Keith Knudsen : drums on ��
  • Paul Stallworth : bass on �Ν�
  • Bob Glaub : bass on �↓キ�
  • Rick Chudacoff : bass on �´���
  • Paul Barrere : guitar on ��
  • Bill Payne : keyboard on �↓きキΝ�
  • David Paich : keyboards on ��
  • Mark Jordan : keyboards on �´�
  • Michael McDonald : keyboard on ��
  • Nicolette Larson : vocals on �↓きキ�
  • Ted Templeman : vocals on �↓キ� and all percussion
  • Memphis Horns : horns on �↓��キ�
  • Andrew Love : sax on ��
  • Jerry Jumonville : sax on ��
  • Tower Of Power Horn Section : horns on ��


Produced by TED TEMPLEMAN
 マイケル・マクドナルドのファンの方には申し訳ないけれど、どこを切っても金太郎飴的な彼が加入し中心になった後のドゥービーズには、あまり興味がありません。CCRなき後、泥臭さのある骨太アメリカン・ロックの代表として登場したころのドゥービーズが、大好きなのです。

 そう、1972年から73年の中心人物だったトム・ジョンストンのギター・カッティングにあこがれた世代なのです。「ロング・トレイン・ランニン」、「チャイナ・グローヴ」は、今聴いても胸躍るワクワク感がたまらないのです。そのトム・ジョンストンが、名作『スタンピード(75)』を最後に体調を崩しドゥービーズのフロントマンを降りたのは、私にとって大事件でした。『スタンピード(75)』のジャケットにも彼の姿がない(内ジャケには馬に乗る写真があり)、マイケルが加入した『ドゥービー・ストリート(76)』にはすでに彼の写真は完全に撮影した季節や日時の違う別撮りの写真が内ジャケに載っており、提供している曲も1曲のみという状態。情報がタイムリーには届かない時代の事ですので不安は大きくなるばかりでした。

 それから3年後の1979年、元気になった彼が帰ってくるという情報が音楽雑誌に載ったのです。しかも、プロデューサーは、ドゥービーの育ての親であるテッド・テンプルマン。その再出発のアルバムへの期待はどんどん膨らんでいきました。いよいよ発売日(田舎なので2日遅れだったような)。レコード屋での試聴は、当然する訳はありません。家に持ち帰り、レコードに早速針を落とすと独特のカッティングの音が・・・・・・。少し大人しいかなという感じではありましたが、なにせ3年ぶりです。あの感動は今でも忘れません。

 そろそろ作品の紹介に移りましょ、思い出話はきりがありません。アルバム全体の印象は、ホーン・セクションが導入された曲が多いため『ドゥービー・ストリート(76)』の延長線上に位置づけても良いような作品が多い気がします。もちろん、トム・ジョンストンならでは(一本槍という人もいますが)の小気味良い作品とメロウな作品があり、それぞれにテンプルマンによる小粋な味付けがなされておりセンスの良さを感じます。テンプルマンがプロデュースし同時期に発表されたニコレット・ラーソンのセカンド・アルバム『In the Nick of Time(1979)』とも共通性があるように感じます。両方の作品に参加しているメンバーが、テンプルマン・ファミリーということが大きな要因でしょうが、ニコレットのファースト『NICOLLETE(1978)』やセカンド等で見られた都会的なセンスの導入が見事に生かされたというべきでしょうか。泥臭さは残しつつ都会的な雰囲気を付け加え、トムの良さを消し去らないという微妙なプロデュースが光っているともいえます。長年付き合っているからこその阿吽の呼吸でしょうか。これは、違うプロデューサーによって制作されたトムのセカンド『Still Feels Good (1981)』と比較してもらえば大変わかりやすいかと思います。セカンドでは、曲自体はトム節なのですが軽さが目立ちさらっとしているのです。トムらしさが消えてしまっているのです。

 爽快なギター・カッティングにドラムとコンガが絡む1曲目、思わず「お帰り!」と言いたくなるトム節が炸裂の作品です。おなじみのヴォーカルが何とも懐かしい、と同時に「やっぱり、うまいし味がある」と感心しきりなのです。跳ねるようなクラヴィネットに間奏のサックスが都会的でセンスの良さがにじみ出ています。アルバム中唯一のカヴァー作品である2曲目もトムの真骨頂といえる作品です。アップ・テンポでソウルフル、アレンジのうまさが光る大好きな作品です。メンフィス・ホーンズのドラマティックな盛り上げも最高なのです。大人の雰囲気が楽しめる3曲目は、ギターを始めダンサブルな演奏が気持ちをハイにさせてくれます。ファンキーなクラヴィネットも印象に残りますが、後半の間奏部でのトムのリード・ギターに涙です。サザン・ソウル、R&Bがトムの根底にあることを再認識させてくれる4曲目は、パワフルなアレンジが素敵な作品です。

 5曲目は、またもやトム節が炸裂です。変化の無いことは良いことなのか、悪いことなのか、しかし、安心できます。6曲目は、大人の雰囲気がむんむんのヴォーカルが冴えわたるセンス溢れるメロウなR&Bです。ニコレットのバッキング・ヴォーカルも素敵です。7曲目は、キース・ヌードセン、マイケル・マクドナルドが参加した往年の初期ドゥービーズを思わせるハードな作品です。ノリノリのトムもギターにヴォーカルにと張り切っています。8曲目は、サザン・ロック的な雰囲気のブルース色の濃い作品です。力強いヴォーカルに泥臭いギターが、ハードに展開されていく胸のすく思いがする作品です。

ブルースにソウル、R&B、南部臭い香りをさせながら爽やかな感覚も忘れない、小気味の良い小粋なサウンドは健在でした。

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