ROCK STANDARD  046 RORY GALLAGHER
ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています
CALLING CARD(1976)


  1. DO YOU READ ME
  2. COUNTRY MILE
  3. MOONCHILD
  4. CALLING CARD
  5. I'LL ADMIT YOU'RE GONE
  6. SECRET AGENT
  7. JACKKINFE BEAT
  8. EDGED IN BLUE
  9. BARLEY AND GRAPE RAG

  • RORY GALLAGHER : Guitar, Vocal
  • LOU MARTIN : Keyboards
  • GERRY McAVOY : Bass
  • ROD de'ATH : Drums
結局、何をやってもロリー・ギャラガーはロリー・ギャラガーだったということを無事に?証明してくれた傑作アルバムです。この作品は、ナザレスがブレイクするきっかけになった『RAZAMANAZ』を聴いてその音の広がりなどに興味を持ったロリーが、作品をプロデュースしたロジャー・グローヴァー(当時:ディープ・パープル)にプロデュースを任せて作成した作品です。ロリーが興味を持った音作りとは、ハード・ロック的でメロディアスな作風だったのです。それまではセルフ・プロデュースで作品を作ってきていましたが、前作の『AGAINST THE GRAIN』が話題にならなかった(チャート・インなし)のが余程ショックだったのでしょうか。しかし、結果的にはロリー・ギャラガーお得意のさまざまな音楽が同居する(ブルース、ハード・ロック、ラグタイム、フュージョン)やりたい放題のアルバムに仕上がっています。

では、ロジャー・グローバーをプロデューサーに迎えた効果は無かったのかというと、さにあらず。ロジャーの計算高い曲作りは随所に見ることができますし、一曲一曲が見事なまでのまとまりを感じさせてくれます。名曲である��「MOON CHILD」が、あまりにもパープル風でギター・ソロもリッチー・ブラックモアを必要以上に意識しているのは失笑ですが。

アルバムは、ハードなブルース・ロックで幕を開けます。名曲であるのは確かなのですが、物足りなさも感じます。1973年の『BLUE PRINT』以来キーボードを加えての4人編成での演奏は、作品に幅というか広がりを加えており聴きやすさは増しているのですが、その分「トゲ」のようなものが無くなってしまい少し残念なのです。ピアノをアクセントとして加えて激しいインタープレイが繰り広げられる2曲目は、テイスト時代を思い出させてくれます。まだまだ熱いんだなぁ、ロリーは。3曲目は、ロリーなりのハード・ロックに仕上がったアップ・テンポな8ビートの作品。ハード・ロックのヴォーカリストとしても結構いけています。前作あたりからハード・ロック色が見え隠れしてはいましたが、これほどまで接近するとは。しかし、名曲に違いはありません。続く4曲目は、がらっと変わって原点回帰。ドップリのブルースを当時流行りだったフュージョン的な要素を少しだけ加えて聞かせてくれます。ピアノとのコンビネーションが粋で落ち着きのある作品です。5曲目は、定番的なアルバム構成であるアコースティック・ギターによるアメリカ色の強いフォーキーな作品。メロディとギターの美しさに酔いしれてください。

アナログではB面トップとなる6曲目は、ハード・ロック的な展開による作品でハモンド・オルガンのリフをバックに自由に飛び回るハードなギターが楽しめます。7曲目は、ファンク調に展開されジャズ・フュージョン的な部分もあります。8曲目は、メランコリックな作品で、伸びのある美しいギターによる前奏の後、カントリー・ロック的に変化しアップ・テンポに展開されていきます。
Here I am, Where are you ?
All my days are edged in blue
という詩が、男の悲哀を歌うことの多いカントリー的で印象に残ります。7曲目は、ギグ風のラグ・タイム・ブルース。活き活きとギターを弾いているロリー・ギャラガーの姿が目に浮かぶようです。こういう曲を聴くと、ロリーはギタリストとして生まれる運命にあったんだなぁ、と思います。レコードの売り上げを気にしたり、大きなライヴ会場で華やかに演奏するよりも、自由に気持ちよくギターを弾くことを最高の喜びと感じていたんでしょうね。

この頃のロリーギャラガーは、ギタリストとして円熟してきた(といっても28歳ですが)時期だったのですが、アメリカ市場でも意識していたのかメロディアスな作品が多いように思います。

TOPへもどる