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ロックにとっての1970年は、新しい幕開けの年として位置付けることができます。ロックをポップスから単独のジャンルへと切り離したビートルズの解散。アメリカからイギリスに渡り、多くのロッカーに大きな影響を与えたジミ・ヘンドリクスやジャニス・ジョプリンの死。そのロックの台頭を世界に確認させた「ワイト島フェスティバル」、ハードロック御三家によるハードロックの確立など、今、回想してみるとそれら全てが時代の変換のために用意されていたかのような気さえします。この激動の時代の重要なアルバムをご紹介します。


1970年の歴史的・私的名盤

主な出来事

1月

68年に終了したテレビ番組の主役だったモンキーズの解散が決定的に。新たにこの年にパートリッジ・ファミリーが登場。

ジャクソン・ファイヴのモータウンでのファースト・シングル「帰ってほしいの」が大ヒット。

ダイアナ・ロス、ソロ活動開始。

3月

サイモン&ガーファンクルのアルバム『明日に架ける橋』が大ヒット、しかし、最後のアルバムとなる。翌年解散。

4月

ビートルズのポール・マッカートニーが脱退宣言。最後までビートルズに固執していたポールの脱退宣言により解散が決定。

EL&Pがステージデビュー。

映画『ウッドストック』公開


5月

オハイオ州ケント大学の反戦デモで学生4人が州兵に射殺され、C.S.N.&Y.が「オハイオ」を急遽レコーディング。

ビートルズ最後のアルバム『レット・イット・ビー』が発売、予約だけで400万枚近くになる。

6月

ザ・フーのロック・オペラ『トミー』開幕。

7月

ジョージア州バイロンで開催されたアトランタ・ポップ・フェスティヴァルにオールマン・ブラザーズ、マウンテン、ジョニー・ウィンターなど新進気鋭のアーティストたちが参加。

8月26~31日

第3回ワイト島フェスティバルが開催される。ジミ・ヘンドリックス、フー、ドアーズ、ジョニ・ミッチェル、EL&Pなどが出演。

9月18日

麻薬の過剰摂取によりジミ・ヘンドリックスが死去。

10月

インプレッションズからカーティス・メイフィールドが独立。

4日:ジャニス・ジョプリンがジミ・ヘンと同じく麻薬の過剰摂取によりホテルで死去。遺作『パール』には、歌の無い曲も収録。


11月

エリック・クラプトンがデレク&ドミノスを結成、いろんな意味での歴史的名曲「いとしのレイラ」を発表。

12月

ジョージ・ハリソン『オールシングス・マスト・パス』、リンゴ・スター『カントリー・アルバム』、ジョン・レノン『ジョンの魂』を発表。

SANTANA/ABRAXAS
ファーストはどちらかというとストレートなラテン・ロックを聴かせてくれましたが、このセカンドは宇宙観や人生観という壮大なテーマの方向性が芽生え始めた注目すべき一枚です。後にジャーニーを結成するグレッグ・ロリーのブルージーな演奏も必聴です。
CHICAGO/CHICAGOⅡ
ファーストに続き、新人バンドとしては大胆な2枚組みでのセカンド。ファースト同様に政治色の濃いメッセージ中心の歌詞とメリハリのあるアンサンブルで構成されており緊張感漲るアルバムとなっています。80年代のAOR路線で売っていた時代のシカゴからは想像もつかない内容と演奏です。
GEORGE HARRISON/ALL THINGS MUST PASS
クラプトンをはじめとするデラニー&ボニー周辺のミュージシャンのバックアップを得て溜めに溜めておいた作品を一気に吐き出した結果がLP3枚。すばらしい曲とともにジャム・セッションも収められており、当時のロックの熱さが伝わってきます。
BLACK SABBATH/PARANOID
重く、暗いトニー・アイオミのギター。ハード・ロックに黒魔術を取り入れたファーストからレヴェルアップし、ヘヴィ・メタリックの教祖としての地位を確立した名盤。ハード・ロックのスタンダードのタイトル曲は、怪しくも、美しい。
LEON RUSSELL/LEON RUSSELL
自分で創立したシェルターレコードの第一弾として発表されたデビューアルバム。クラプトン、J.コッカー、R.スター、G.ハリスンなどのセッションマンとしての人脈を生かし豪華な顔ぶれによるアルバムです。ゴスペルやスワンプを基調にした名曲の数々が、これでもかと続きます。特に切々と唄われるラヴ・ソングは感動ものです。
KING CRIMSON/IN THE WAKE OF POSEIDON
歴史的名盤の『クリムゾン・キングの宮殿』に続き発表された正当な評価を受けることができないセカンド・アルバムです。しかし、公式ランキングは前作よりもひとつ上の4位という優れものです。R.フリップが主導権を握ったことで新しい方向性も見えてきました。
詳しくはこちら WEEKLY PICK UP 069
McDONALD & GILES/McDONALD & GILES
キング・クリムゾンのオリジナル・メンバーで中心人物でもあった二人が創り上げた傑作。すさまじい緊張感から解き放たれた開放感がアルバムの隅々まで広がっています。演奏力に加えて構成力なども天下一品。安心・安全のプログレです。
詳しくはこちら WEEKLY PICK UP 070
JO MAMA/JO MAMA
シティー解散後のダニー・クーチマー、チャールズ・ラーキーを中心にした五人組のファースト。R&Bやジャズ、ソウル、カントリ-、ラテンなどのエッセンスが散りばめられた、おしゃれなアルバムです。
JOHN LENNON/JOHN LENNON,PLASTIC ONO BAND
ジョン・レノン流フォークだといえるのではないでしょうか。自分の心の中を赤裸々に表現している歌詞が印象的というよりショックでした。美しくも激しい曲が並んでいます。
SIMON & GARFUNKEL/BRIDGE OVER TROUBLED WATER
二人の仲が最悪の時期に発売されたグラミー賞3部門獲得の傑作というのが、なんとも皮肉です。ベトナム戦争で傷ついているアメリカの若者を勇気ずけた作品として有名です。フォークのロック化に対抗するかのように静かに語りかけてくれる名曲が詰まっています。
C.S.N.&Y./DEJA VU
ロック、フォーク、カントリー、ラテンと4人それぞれの個性がぶつかり合い、ひとつにまとまった稀有な傑作です。ニール・ヤングが加わったことで社会的なメッセージが強まり、悩めるアメリカの時代背景を凝縮したようなアルバムです。
NEIL YOUNG/AFTER THE GOLDRUSH
ウッドストック幻想の崩壊後、行き場を失ってしまった若者たちの心情を赤裸々に歌っています。ニルス・ロフグレンを含むクレイジー・ホースがバックを務めています。特に南部の差別の状況をを歌った「サザンマン」はセンセーショナルな話題になりました。
DAVE MASON/ALONE TOGETHER
デラニー&ボニーらとともにツアーを行い、アメリカ南部の音楽に見せられて制作した作品。ブリティッシュ・トラッドとの融合を狙った作品で、メイソンのギター・ワークが冴え渡ります。コンポーザーとして非凡な才能を発揮した作品でもあります。
DEREK & DOMINOS/LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS
デラニー&ボニーのバックのメンバーと結成したバンドのファーストアルバム。歴史的な名曲のタイトル曲ばかりではなくデュアン・オールマンとのギター・バトルが十二分に楽しめ、ブルースの良さを 感できる作品です。
PINK FLOYD/ATOM HEART MOTHER
サイケデリック・ロックから脱却し、プログレッシヴ・ロックのピンク・フロイドと呼ばれる基礎を築いた作品。ブラス・セクッションとコーラスを導入したタイトル曲の組曲は新鮮で圧巻でした。それまでわかりにくかったフロイドの世界を分かり易く一般のロックファンに表現してくれた。
JAMES TAYLOR/SWEET BABY JAMES
イギリスでのデビュー・アルバムが不発に終わり、心機一転アメリカに戻ってのセカンド・アルバム。シンガー・ソング・ライター・ブームの火付け役になった作品です。
DEEP PURPLE/IN ROCK
イアン・ギラン、ロジャー・グローバーを加え黄金期と呼ばれる第二期パープルが、明確なハード・ロック路線に転換した歴史的名盤。特に「スピード・キング」「チャイルド・イン・タイム」はライヴの定番的作品であると同時にハード・ロックの名曲でもあります。
詳しくはこちら ROCK STANDARD 018
THE WHO/LIVE AT LEEDS
ライヴ・パフォーマンスで有名だったザ・フーの激しくも熱いライブの模様を伝える面目躍如のライヴ・アルバム。特にシングルとして発売されたR&Rの名曲「サマータイム・ブルース」は生々しすぎて涙ものです。21世紀になって完全版が発表され、またもや興奮は最高潮に達しまた。
MOUNTAIN/CLIMBING
クリームの再来といわれたマウンテンのセカンド。ストレートなブルース・ハード・ロックは、いつ聴いても気持ちが良いものです。レスリー・ウエストのギターを前面に出した楽曲は静と動の二面性を余すところなく表現しています。演奏技術の高さもさることながらブルースの特徴である「間」の表現がすばらしいアルバムです。
TEN YEARS AFTER/SSSSH
アルヴィン・リーの早弾きとレオ・ライオンズのマシンガン・ベースは、クリームを彷彿とさせます。スタジオ録音でありながら、クリーム同様にライブパフォーマンスに定評のあったグループの良さがはっきり表れている緊張感のある傑作アルバムといえます。なお、アルバムタイトルはシャンプーの名前で「シュッシュ」と発音するらしいです。
HOT TUNA/HOT TUNA
J.エアプレインのギタリストであるヨーマ・カウコネンによる地元バークリーでのアコースティック・ライブをファースト・アルバムとして発表。エアプレインとは異なり全編ラグタイム・ブルースとフォーク・ブルースで構成されています。カウコネンのすばらしいアコギ演奏が聴きものです。
EGG/EGG
ナイスに影響を受けて結成されたトリオのバンドですが、ぐいぐい前面に迫ってくるような威圧感はなく、どちらかというとアンサンブルを重視したセンスの良い音楽といえます。線の細さが気になるところではありますがクラシックを効果的に利用した構成力には脱帽です。
J.GEILS BAND/J.GEILS BAND
ボストンからデビューしたブルースバンドの第1作。ブルースとR&Bを純粋に表現しています。後にEMIへ移籍しポップなヒット曲を連発しますが、アトランティック時代のピーター・ウルフのボーカルやマジック・ディックのブルース・ハープは最高です。
FREE/FIRE & WATER
フリーの最高作でしょう。第3作目にあたりますが、最初の荒々しさは押さえ気味になり、完成度の高い曲が並んでいます。先行シングル「オール・ナイト・ナウ」が全英2位の大ヒットに。バッド・カンパニーの同曲と聞き比べるのも一興です。
ELTON JOHN/ELTON JOHN
アメリカにおけるデビュー・アルバムでエルトンとしてはセカンドにあたります。名曲「僕の歌は君の歌」や「人生の壁」に代表されるエルトン節が完成の域に達しています。
GRAND FUNK RAILROAD/LIVE ALBUM
アメリカン・ハード・ロックの元祖ともいうべき存在のGFRの傑作ライヴ。ベスト的な選曲も楽しいのですが、単純明快こそがアメリカン・ハードの命だよと教えてくれます。アニマルズのカヴァー「孤独の叫び」は歴史的名演。
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