| WEEKLY PICKUP 077 QUEEN |
| WEEKLY PICKUPは、70年代を中心にしたロックの埋もれそうな名盤・迷盤を紹介しています |
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Produced by JOHN ANTHONY ROY THOMAS BAKER |
『戦慄の王女』、クイーンのデビュー作『QUEEN』の日本語タイトルです。なぜ、『女王』ではなく『王女』なのかは疑問が残りますが、まさに、初めてこの作品を耳にしたときの状況を言い当てていると思うのですが、本国のイギリスでは、アルバムに先駆けてシングル・カットされた「炎のロックン・ロール」を評論家は酷評します。メロディ・メーカー紙にいたっては「オリジナリティがない」とまで言い放ったのです。う〜ん、どこにオリジナリティがないといえるのか、あまりにも斬新なサウンド・スタイルを認めたくなかったのではないのだろうか。 クイーンがデビューしようとしていた72年から73年はロックが混迷の時代に突入しようとしていた時代だったのです。しかし、プログレッシヴ・ロックが頂点を極めグラム・ロックが豪華絢爛に舞踊っていた時期にロック暗黒の時代が待っているとは誰も予測し得ませんでした。 ハード・ロックとプレグレッシヴ・ロックにグラム・ロック、それらの要素を合わせ持つこのアルバムは、完成度こそ次作の『クイーン�供戮筺悒轡◆Ε蓮璽函Ε▲織奪�』には及ばないものの新人離れ(というより貫禄がある)した名作に仕上がっています。ただ、クイーンは、ここから更なる発展を遂げていくというバンド自身がプログレッシヴであったことに他の新人バンドとの違いがありました。ロイ・トーマス・ベーカーが、かなり意識してハードな仕上がりにしているため、ブライアンのギターがハード・ロックっぽくなっています。まだまだ実績のない新人バンドとしては自分たちの意見を押し通すことはできなかったんでしょう。 1曲目は、いきなり度肝を抜いてくれるハードなロックナンバーです。クイーンの代名詞ともいえるギター・オーケストレーションに分厚いコーラスが絡むスピーディーさがたまりません。2曲目は、スマイル時代の作品です。ここでもクイーンの特徴のひとつでもある曲調の変化により聴き手を楽しませてくれます。フレディの歌唱力を生かしたバラードで始まり、間にラテンっぽい展開を挟んでハード・ロックになだれ込むという小粋な曲構成は、斬新でした。3曲目は、新人離れした抜群の演奏力とフレディの歌が楽しめる作品です。ここでもミドル・テンポの中間部を挟むなど小技が効いています。特にロジャーのダイナミックなドラミングには脱帽です。4曲目は、めまぐるしく曲調が変化する作品で、ギター・オーケストレーションのイントロとロジャーのハイ・トーン・ヴォイスで幕を開けるオペラ風の作品です。圧巻は、ドラマティックな最終部でしょう。 5曲目からがアナログではB面になります。フレディお得意のドラマティックな構成は、コンパクトなプログレッシヴ・ロックと呼んでも良いくらいです。ロイ・トーマス・ベーカー色が色濃く出た作りがなされており一級のハード・ロックに仕上がりました。6曲目は、ブライアンのスパニッシュ・ギターをフィーチャーした作品で、ハードなナンバーが並ぶアルバムの中でオアシス的な存在です。メロディは、フォーキーで親しみやすい曲なのですが、全体の構成はプログレッシヴな複雑な作りになっています。7曲目は、ロジャーの作品でリードヴォーカルもロジャー本人が担当しています。フォガット風のハード・ドライヴィングで痛快なロックン・ロールに仕上がっています。8曲目は、これぞ70年代のハード・ロックという作品で、ハードなギターリフを中心に展開していきます。そこに、お得意のコーラスやブライアン独特のギター・トーンを生かしたソロが絡む効果的な作りになっています。9曲目は、題名どおりの荘厳な前半部とハードな後半部からなる作品です。彼らには珍しくメッセージ性の強い作品でもあります。10曲目は、セカンドに収録される作品のイントロ部です。 NME紙に「バケツ一杯の小便」と酷評されたアルバムはクイーンの時代が到来することをはっきりと示していたのです。 |