| WEEKLY PICKUP 070 McDNALD & GILES |
| WEEKLY PICKUPは、70年代を中心にしたロックの埋もれそうな名盤・迷盤を紹介しています |
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キング・クリムゾンのファースト・アルバム『クリムゾンキングの宮殿』の重要メンバーだった二人、イアン・マクドナルドとマイケル・ジャイルズのコラボレーション作品であるとともに、発掘音源が発表されていなかった当時としてはキングクリムゾンのデビュー前からセカンドの『ポセイドンのめざめ』までを紐解く鍵になった作品です。 イアン・マクドナルドがメジャーになった作品を時系列的に並べると『クリムゾンキングの宮殿』、続いて『ポセイドンのめざめ』、そして本作の『マクド……』となるのですが、日本での発売は『マクド……』が一番最初というおもしろい裏話があります。英国では1969年に発売された『クリム……』が、特徴ある?アーティストを多数抱えるレーベルのデッカからの発売だったせいなのか、それとも(たぶん)日本のレコード業界のロックに対する姿勢からそうなったのか、なんとも情けない気がします。 本作の特徴として上げられるのが、エレクトリックを極力排した(必要以上に使用しない)作品作りがあげられます。『クリムゾン・キングの宮殿』で圧倒的な力を発揮したメロトロンでさえ使用しないというキング・クリムゾンとは一味も二味も違う方向性を聴かせてくれます。牧歌的でフォーキーな作品とインプロヴィゼーションが織り成す素晴らしい世界があります。 まずは、I.マクドナルドが1969年の全米ツアーの間に作った作品から始まります。キング・クリムゾン同様に組曲形式の作品で、それぞれにスタイルを変えながら展開されるクリムゾンの基本方針を引き継いだような作風になっています。I.マクドナルドのマルチ・プレイヤーぶりにも注目して下さい。『ポセイドンのめざめ』の「カデンス・アンド・カスケイド」の原曲にあたる2曲目は、叙情性豊かなフォーク・ロック的な作品。1969年夏の全英ツアー時に原案が考えられた3曲目は、哀愁感たっぷりのメロディが印象的で、英国特有の湿り気を帯びたトラディショナル・フォーク風のアコースティカルな作品です。4曲目は、1967年にM.ジャイルズが子供たちに書いた詩が基になっていますが、ファンキーな要素が見え隠れする現在でも充分通用するリズミカルでノリのよい音作りがなされており、かれらの作曲・アレンジの能力が先見的であったことを証明しています。 B面は、大曲の�イ里澆任后�といっても6つのパートに分かれていますので飽きることはありません。幻想的でスペイシーな展開からクラシカルにもジャジーにもポップにも、様々な曲調に作品は変化していきますが、ひとつのお伽噺を聞いているような気になってしまいます。惜しむらくは彼等の溢れ出る才能を一つ一つの作品として作り上げてほしかった。 この作品を最後に二人はコンビを解消してしまいます。M.マクドナルドは注目を浴びることはなくなりますが、マクドナルドは、その才能をプロデューサーとして発揮しフォリナーで開花させるのです。 |