WEEKLY PICKUP  051 THE MOODY BLUES
WEEKLY PICKUPは、70年代を中心にしたロックの埋もれそうな名盤・迷盤を紹介しています
SEVENTH SOUJOURN (1972)


  1. LOST IN A LOST WORLD
  2. NEW HORIZONS
  3. FOR MY LADY
  4. ISN'T LIFE STRANGE
  5. YOU AND ME
  6. THE LAND OF MAKE BELIEVE
  7. WHEN YOU'RE A FREE MAN
  8. I'M JUST A SINGER(IN A ROCK AND ROLL BAND)
  • JUSTIN HAYWARD : GUITAR, VOCALS
  • JOHN LODGE : BASS, GUITAR, VOCALS
  • MICHAEL PINDER : KEYBOARDS, VOCALS
  • RAY THOMAS : BASS, FLUTE, VOCALS
  • GREAME EDGE : DRUMS
PRODUCE : TONY CLARK
プログレッシヴ・ロックの祖:ムーディ・ブルースの7枚目の作品です。「えっ!プログレの祖はキング・クリムゾンではないの?」とおっしゃる若い方もいらっしゃるでしょう。そのクリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』の発表を遡ること2年、彼らのセカンドアルバムとしてリリースされたのがプログレッシヴ・ロックとしての最初期の作品『DAYS OF FUTURE PASSED』だったのです。

トータルなコンセプト、オーケストラとの共演に加えてマイク・ピンダー自作のメロトロンの導入がプログレとして認知される要因です。しかし、まだプログレッシヴ・ロックなる呼び名は存在していない時代(あたりまえですね)、同時期にデビューしたピンクフロイドがサイケデリック・ロックと呼ばれたのに対し、彼らはファンタジック・ロックなどと形容されました。印象的に使われるマイク・ピンダーのキーボード群、それに広がりを加えるレイ・トーマスのフルートや効果的に使われるジャスティン・ヘイワードの多彩なギターが創り出す音楽は、今聴くと目新しさは無いものの心の奥底に染み渡る感じがします。

宗教的、思想的な色合いの濃いムーディ・ブルースを代表するM・ピンダー作の�,妊▲襯丱爐六呂泙蠅泙后�戦いに明け暮れる馬鹿な人間に対するメッセージが込められているこの作品が、いつの時代になっても遠い昔の話とはならない悲しい現実を再認識しなければ。内包する怒りを表しているようなドラムとベース、この世の虚しさを表現しているようなメロトロン、かすかに聞き取れる弱々しいオーボエ?、それらが絶妙のアンサンブルを織り成すドラマティックな作品です。2曲目は、J・ヘイワードの作品。愛に満ち溢れ神に感謝するものの、その先には得体の知れない不安感があると歌われる牧歌的な作品。フォーク調の3曲目は、人生のよりどころを見つけた男の喜びが歌われる作品。美しいメロディは心に安らぎを与えてくれます。静と動による対比が面白い4曲目は、J・ロッジの作品。初期のビージーズ風のヴォーカルを主体にした部分とディストーションを効かせたJ・ヘイワードのギターが印象的な部分の対比が素敵です。

浮遊感のあるM・ピンダーのキーボードと力強いドラムやベースが好対照な5曲目は、アップテンポなロックです。流れるような美しいコーラスやギロをはじめとするパーカッションを小粋に使っている点なども聴き逃せません。J・ヘイワードのギターが大活躍の6曲目は、まさにブリティッシュというメロディを持った作品。フォーク・ロック的ではありますが、ドラマティックな・アレンジには脱帽です。そして、このアルバムのハイライトともいえる7曲目と8曲目は、途切れることなく重なって続きます。本当の自由とは何かを問いかけるこれらの作品は、切々と歌われる美しいメロディが印象的な7曲目とアップテンポでハードなロックがドラマティックに展開される8曲目の対比が見事なのです。

この作品を発表後、グループとしての活動を突然休止してしまいます。世はまさにプログレが大発展しようかという時代。グループとしての活動を再開するまで6年余り、プログレ・ブームも終わってしまっており、アルバムを発売するもマイク・ピンダーは脱退、グループは危機的状況に陥るのです。

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