| WEEKLY PICKUP 006 CHASE |
| WEEKLY PICKUPは、70年代を中心にしたロックの埋もれそうな名盤・迷盤を紹介しています |
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ブラスロックバンドとしての船出が、B.S.&T.やシカゴ、ドリームスに遅れること3年余り、そして数奇な運命をたどることとなるバンドのデビューアルバムです。この1971年には、BS&Tも色褪せしジャズ畑からアプローチしたドリームスも好セールスを得ることなく解散への道をたどっています。唯一、ポップ性を加えたシカゴのみがヒットを連発し孤軍奮闘していたわけですが、後発であるがゆえにプロデューサーによりインパクトのあるバンドとして作られたバンドがビル・チェイス率いるチェイスだったのです。 トランペット奏者が4人というビッグバンドの流れをくむバンド編成(他はギター、ベース、キーボード、ドラム)からはじき出される音は、代表曲の「GET IT ON(黒い炎)」を聴いてもわかるように演奏力も高く、非常にインパクトがあってスリリングな曲ばかりです。集結しているメンバーの前歴などがあまりハッキリしないのですが、ビッグバンド系のグループにいた人たちではないかと思います。前述の2つのグループに比べるとジャズ色が強く感じられます。 このバンドの特徴は、何といっても攻撃的なハイ・トーンのトランペット軍です。通常であれば、サックスやトロン本を加えてアンサンブル的な音作りが普通なのですが、低音部をベースとオルガン、ときにはギターが担当することでハイ・トーンのトランペットを際立たせているのです。特にベースは、八面六臂の大活躍で、素晴らしいタンギングを見せるトランペットとユニゾンで進行したりロックやってます。加えて、シャウト系のリード・ヴォーカルもありジャズとロック、たまにはソウルフルにと変化に飛んだアレンジも見事です。すべてのソロをとるビル・チェイスは、ビル・チェイス・モデルというマウスピースも発売されていた(今でもあるのかな?)ほどの人気を誇り、その小さめで浅いマウスピースがチェイスの高音の秘密なのです。 しかし、このアルバムの反響の凄さ(全米年間ヒットチャート1位)を尻目にセカンドアルバム「ENNEA」収録中、家族との時間を大切にしたいなどの理由でメンバーが一人また一人と去っていきます。そして、セカンドアルバム発表後ついに結成2年を待たずに解散します。しかし、解散後2年を経てリーダーのビル・チェイスは74年に再度グループを結成し「PURE MUSIC」を発表し、精力的にライヴ活動を始めますが、74年8月に飛行機事故により新加入のメンバー3人とともに他界してしまいます。その「PURE MUSIC」の邦題が「復活」だったことは、悲しすぎます。この移動の際にバスで移動し(理由は定かではありませんが)難を逃れたジム・ピータリック(3枚目からヴォーカルとして参加)が、このアルバムで見事なベースを披露しているデニス・ジョンソンを誘って結成したグループがサバイバー(生存者)なのです。しかし、二人ともファースト発表後に脱退しますので、映画『ロッキー』のテーマ「アイ・オブ・ザ・タイガー」がヒットしたときには在籍していません。 ファースト、セカンドアルバムともに同じ構成(アナログA面が短い曲、B面が組曲)からなっており、ジャズ的要素の非常に強い個性的でかっこいいアルバムです。ぜひ、組曲を聴いてほしいんです。現在は、ファーストのみが日本では単独でCD発売されていますが、3作すべてをカップリングしたものや2、3作目をカップリングしたCDなども発売されていますので安価の手に入れることができると思います。 最後に一つだけ、アルバム3作を聴いていると、どこかで聴いたぞというトランペットのフレーズがあるはずです。歌謡曲やアニメの主題歌、CMソングのアレンジなどに酷似したものが多くあり、そういう意味でもチェイスの影響力は大きかったのだなぁ、と思います。 |