ROCK STANDARD  068
THE ALLMAN BROTHERS BAND
ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています
BROTHERS & SISTERS (1973)



  1. Wasted Words (Gregg Allman)
  2. Ramblin' Man (Richard Betts)
  3. Come and Go Blues (Gregg Allman)
  4. Jelly Jelly (Trade Martin)
  5. Southbound (Richard Betts)
  6. Jessica(Richard Betts)
  7. Pony Boy (Richard Betts)
  • GREGG ALLMAN : organ, piano, guitar, vocals
  • DICKEY BETTS : guitar, slide guitar, dobro, vocals
  • BERRY OAKLEY : bass and vocals on "Ramblin' Man" and "Come and Go Blues"
  • LAMAR WILLIAMS : bass, vocals
  • BUTCH TRUCKS : drums, tympani, congas
  • JAI JOHANNY "JAIMOE" JOHANSON : drums, congas
  • CHUCK LEAVELL : piano, synthesizer, background vocals
GUEST
  • LES DUDEK : lead guitar on "Ramblin' Man", acoustic guitar on "Jessica"
  • TOMMY TALTON : acoustic guitar on "Pony Boy"
PRODUCER : JOHNNY SANDLIN, THE ALLMAN BROTHERS BAND
 どうしてサザン・ロックの連中には死神が取り付くのだろうか?前作『イート・アピーチ』を製作中にバンドの看板であるデュアン・オールマンがオートバイ事故により他界。気持ちも新たに本作の制作・録音に取り掛かった途端にベーシストのベリー・オークリーが同じオートバイ事故で他界。しかも、デュアンが亡くなった場所からは3ブロックしか離れていなかったという。これが、サザン・ロックの不幸の始まりだった。1977年には、オールマン・ブラザーズの子分ともいえるレイナード・スキナードは、人気絶頂を迎えた時期に飛行機事故で主要メンバーが死亡し解散(87年に他界したロニー・ヴァン・ザントの弟ジョニーが再結成)する。また、80年には、カントリーをベースにした痛快なロックを披露していたマーシャル・タッカー・バンドの中心人物のトミー・コールドウェルが自動車事故で他界。ロック・ミュージシャンは多数いるとはいっても、あまりにも・・・・・・。70年前後の自業自得のドラッグによる死ではないのだから。

 ベーシストのベリー・オークリーは、事故により本作には2曲のみの参加となったわけですが、デュアンが亡くなった時点で、オールマン・ブラザースはツイン・リード・ギターにツイン・ドラムというサザンロックの基本セットをやめキーボーディストのチャック・リヴェルを加えて再出発を図っているのです。このことは、マイナーなコード進行を得意とするデュアンとメジャーなコード進行を得意とするディッキー・ベッツのバランスが崩れ、カントリー好きのディッキーが主導権を握るということを意味しているのです。

 このアルバムの1曲目と2曲目は、べり・オークリーが健在だったときの作品ですが、デルタ・ブルースを基調にした�,肇�ントリーを基調にした�△鯣罎戮襪帆瓦�違うバンドではないかと思えるほどの違いがあります。デュアン亡き後に発表された本作に始めて針を落としたとき、1曲目が聴こえた途端に「あぁ、オールマンは健在だ」と安心し、2曲目を聴いた途端に戸惑ったことを昨日のように思い出します。

 その安心した1曲目は、ディッキーのスライド・ギターが炸裂するデルタ・ブルース色の強いグレッグの作品なのです。デュアンがいない分頑張ろうと思っているのか、自由を謳歌しているのかはわかりませんが、伸び伸びとプレイしています。ヴギ・ウギ・スタイルのチャックのピアノも最高です。ディッキー作の2曲目は、彼らに始めて大ヒット(全米2位)をもたらしたカントリー・ロックです。少し軽めのディッキーのヴォーカルも曲によくマッチしていますが、レス・デュデクとのツイン・ギターが聴き所です。とくに、フェイドアウトする終盤のインスト部は、まだまだ聴いていたいという気持ちになります。ソウル・フィーリングに溢れた展開などが彼らにとっては新しいグレッグ作の3曲目は、哀愁感漂うグレッグのヴォーカルとチャックのピアノが印象に残るドラマティックな作品です。ディッキー作のブルースの4曲目は、ブルージーなグレッグのヴォーカルとオルガン、ディッキーのリード・ギターなど十分な出来栄えなのですが、デュアンの不在を思い出させてくれる作品でもあります。

全編にわたりチャックのピアノが大活躍するアップ・テンポのブルース・ナンバーの5曲目は、グレッグのオルガンやツイン・ドラムの小気味よさが印象に残る作品です。もちろん、ディッキーのギターものびのびとしています。彼らの実力をこれでもかと見せつけてくれる7分以上にも及ぶインスト作品の6曲目は、カントリー・タッチの作品でコンガなどの導入でラテン・フレーバーも味付けされた明るく爽快な曲です。最後の作品は、ディッキーのドブロ・ギターが堪能できる作品です。ジャム・セッション風のカントリー・ブルース・ナンバーで、古き良きアメリカを髣髴とさせる出来上がりです。唯一、グレックが録音に参加していません。

そんなこんなで、ついに一般のロック・ファンにまでその名を轟かせることになった彼らですが、内ジャケにある製作に携わった人間の家族も一緒の集合写真とは裏腹にメンバー間(グレッグとディッキー)の確執は広がるばかりだったみたいです。二人は、それぞれソロ・アルバムを製作しバンドは76年に一度解散してしまいます。

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