ROCK STANDARD  063 AMERICA
ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています
AMERICA (1972)



  1. Riverside(BUNNELL)
  2. Sandman(BUNNELL)
  3. Three Roses(BUNNELL)
  4. Children(BUNNELL)
  5. Horse With No Name(BUNNELL)
  6. Here(BECKLEY)
  7. I Need You(BECKLEY)
  8. Rainy Day(PEEK)
  9. Never Found the Time(PEEK)
  10. Clarice(BECKLEY)
  11. Donkey Jaw(PEEK)
  12. Pigeon Song(BUNNELL)
  • GERRY BECKLEY : VOCALS, GUITAR, KEYBOARDS, BASS, HARMONICA
  • DEWEY BUNNELL : VOCALS, GUITAR
  • DAN PEEK : VOCALS, GUITAR, KEYBOARDS, BASS, HARMONICA
  • DAVE ATWOOD : DRUMS
  • RAY COOPER : PERCUSSION
  • KIM HAWORTH : DRUMS
  • DAVID LINDLEY : ELECTRIC GUITAR
PRODUCER : IAN SAMWELL, JEFF DEXTER
 2007年7月、ワーナー時代の初期作品8作が紙ジャケ・リイシューされました。なぜ、このような書き出しかというとアメリカのデビュー作でありビルボードで5週連続で1位を突っ走ったこの作品は、初回盤にシングル・ヒットした「名前のない馬」が入ってなかったのです。今回の紙ジャケ・リイシュー盤も裏ジャケを見て5番目に「名前のない馬」の表記がないのに気付かれた人はニンマリした方と書き忘れなのかなと思われた方に分かれるのではないでしょうか。

 アメリカ空軍に務める父を持つアメリカン・ハイ・スクールの同級生三人組がレコード・デビューしたのは1971年9月、アメリカのシンガー・ソング・ライターやウエストコースト・サウンドの余波は当然イギリスにも届いていたにも拘らず発売当初の評判は良くありませんでした。しかし、先行してプロモーションをかけたオランダで火が点き1972年にはイギリスでもヒットとなります。そこで急遽「名前のない馬」を加えたアルバムが再発されるという運びになったのです。

 その大ヒット・アルバムが生まれるきっかけとなった「名前のない馬」は、3月にニール・ヤングの「孤独の旅路」を蹴落として堂々の一位(ビルボード誌)に輝くのですが、この名曲だけではアメリカの魅力を語ることはできません。セルフ・プロデュースで製作されたセカンド・アルバム『ホームカミング』も歴史的名盤という名に相応しい作品なのですが、勢いと初々しさが印象的だったこの作品を先に紹介させていただくこととしました。

 アルバムは、クロスビー、スティルス&ナッシュを思わせる美しいコーラスが印象的な曲でスタートします。12弦ギターを含む2本のアコギを中心に軽快なレイ・クーパーのコンガと切れの良いベースが絡みアメリカを代表する(と私は思っています)作品に仕上がっています。エグゼクティヴ・プロデューサーとして参加したジェフ・デクスターの力かもしれませんが、歌唱部分より演奏の工夫に新人ながら只者ではないなという印象が残った記憶があります。続く2曲目は、ドラムを加えた湿り気のあるハードな作品です。歪んだギター・サウンドに当時のブリティッシュ・ロックが思い出されてなりません。3曲目は、再びレイ・クーパーが加わった爽やかな作品です。爽やかなコーラスとアコギを主体としながらもジャズ的な要素も加わった都会的な雰囲気のするおしゃれな一品です。4曲目はアメリカの真骨頂とも言える作品。アコギとコーラスにより構成され、控えめなデヴィッド・リンドレイのスティール・ギター(かな?)が絡むドラマチックで美しい作品です。5曲目が、当初は収録されていなかった「名前のない馬」です。収録された場所が絶妙なのには驚きですが、しみじみとした前曲に続いていることで実際に馬に乗っているかのようなこの作品の輝きが増しているのではないでしょうか。この作品でも硬質の12弦ギターが使用されており良いアクセントになっています。ベースとドラムが音に厚みを加え、それにパカポコというレイ・クーパーのパーカッションも印象的です。A面最後は、前後にしみじみとした雰囲気の部分を配置し中間部に切れのあるハイテンポの曲を配置した作品です。3分程度の中間部は、彼らの育ったブリティッシュ・トラッドの影響も見え隠れし、果敢な青春時代をイギリスで過ごしたんだなということが感じられます。

 B面最初となる7曲目は、ビートルズの「?(聴けばわかります)」にインスパイアされたのは確実な作品ですが、「I Need You」と淡々と繰り返し歌われるところがアメリカらしいといえばアメリカらしい。シングルカットされヒットした作品でもあります。8曲目は、リンドレイのスティール・ギターが加わるカントリー・バラードっぽい作品で心に沁みる曲です。9曲目は、1曲目同様にCS&Nを思わせる曲で6弦と12弦のアコギを中心にした地味な作品ですが、小川のせせらぎを思わせるような癒し感たっぷりの作品です。10曲目は、哀愁感たっぷりの曲でブリティッシュの匂いもちらほらする作品です。11曲目は、ドアーズ風のハーモニーがサイケデリックな雰囲気をかもし出す曲で、パーカッション、ドラムにエレクトリック・ギターが加わる部分ではロック・テイスト溢れる作品になっています。最後に曲は、Dewey Bunnelの2分足らずの小曲ですが唯一の英国人らしくブリティッシュ・フォーク、トラッドの香りが強い作品に仕上がっています。

 最後に一言。この名盤を名盤たる作品に引き上げたレイ・クーパーのパーカッションの存在を忘れてはいけません。全盛期のエルトン・ジョン・バンドでの活躍は有名ですが、その活躍はザ・フー、キャロル・キング、ニッキー・ホプキンス、ローリング・ストーンズ、ビートルズのメンバーなど多岐に亘っているのです。そしてもう一人、デヴィッド・リンドレイ。マルチ・プレイヤーとして数々の作品にクレジットされていますが、この作品では控えめながら�き┐膿潅呂茲ぅ好僖ぅ垢箸覆辰討い泙后�

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