| ROCK STANDARD 060 KING CRIMSON |
| ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています |
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キング・クリムゾンの重要な要素であるインプロヴィゼーション、もともとジャイルズ・ジャイルズ・フリップ時代から持ち合わせてはいたものの音楽的な方向性を決定付けたのは、1969年5月16日に始めてステージに立った「マーキー・クラブ」のマネージャーであったジョン・ジーによって提唱された「ニュー・パス(New Paths)」というコンセプトが大いに影響しているのは疑いの余地がありません。このマーキーで同年5月25日に始まったロック・バンドとジャズ・バンドの合体という方向性を持ったロックとジャズ・バンドのジョイント公演(二作目以降のバンド・メンバー補充に影響する)は、彼等にインプロヴィゼーションを主体とするジャズからの影響を強く与えたに違いありません。また、ジョン・ハイズマン率いるコロシアムをはじめとするジャズ・ロック・バンドのデビューも同年であることを考えるとジャズとロックの融合というのは、イギリスの音楽界では当たり前の流れだったのかもしれません。 アルバムは、オルガンから作った不気味なノイズで幕を開けます。後のハード・ロックに多大な影響を与えた超攻撃的な作品で複雑さを極めていますが、最初から最後までワン・テイクで録音したのだそうです。このスピーディな中でも中間部には素晴らしいインプロヴィゼーションを挟むなど恐ろしいほどのテンションだったんでしょうね。聴くたびにサックスがこれほど攻撃的な楽器になるなんて、と初めて聴いたときに思ったのを思い出します。それとM.ジャイルズのドラミングには空いた口がふさがらないという感じでした。2曲目は、グレッグ・レイクとイアン・マクドナルドが歌うフォーキーな作品。ここでは、イアンのフルートとクラリネットがフィーチャーされ、後半にはイアンのフルートの長めのソロもあり心癒される作品です。この作品は、元フェアポート・コンベンションのジュディ・ダイブルとイアン・マクドナルドが参加していたジャイルズ・ジャイルズ・フリップの時代に録音されていて、本作収録曲はその作品のキーをAからEに変換して再録されています。続く3曲目は、グレッグ・レイクのヴォーカルが光る重厚な作品です。エンディングの地の底から湧き上がってくるようなメロトロンが非常に印象的で美しい作品です。 4曲目は、やさしく美しい前半部とインプロヴィゼーションの後半部からなる作品です。後半部は、用意した全作品(5曲)の収録時間が短かったため急遽レコーディングされた作品でM.ジャイルズ、R.フリップ、I.マクドナルドの三人によって演奏されています。これこそキング・クリムゾンの真骨頂とも言える作品ではないでしょうか。タイトル曲の�イ蓮▲圈璽函Ε轡鵐侫�ールドがイアン・マクドナルドとともにインフィニティというバンドで活動していたときに原曲のイメージが出来上がっていたのだそうです(ピート談)。はじめてそのインタヴューを読んだときは、録音にはほとんど立ち会っていないピートなだけに「?」と思いましたが、その後に他のメンバーの話などを総合すると、先に詩が出来上がっていたということだったみたいです。キング・クリムゾンというバンド名もその詩からから取られたということですから確かな話みたいですね。ややこしいですがアルバムのタイトルは「IN」から始まりますが、タイトル曲は「THE」から始まります。作品は、メロトロンによるストリングスが多く使われていますが、M.ジャイルズのドラミングにも注目してください。あっ、それとR.フリップのギター・ワークにも注目です。キング・クリムゾンの音といえば、このギーター・サウンドですよね。 中から外まで全てが完璧に仕上がった本作ですが、アート・ワークを担当したP.シンフィールドの友人であったバリー・ゴッドバーはアルバム発表後まもなく亡くなってしまいす。もともと心臓が弱かったという話もありますが、原因はわかりません。 |