ROCK STANDARD  058 MARIA MULDAUR
ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています
MARIA MULDAUR (1973)


  1. ANY OLD TIME
  2. MIDNIGHT AT THE OASIS
  3. MY TENNESSEE MOUNTAIN HOME
  4. I NEVER DID SING YOU A LOVE SONG
  5. THE WORK SONG
  6. DON'T YOU FEEL MY LEG
  7. WALKIN' ONE & ONLY
  8. LONG HARD CLIMB
  9. THREE DOLLAR BILL
  10. VAUDEVILLE MAN
  11. MAD MAD ME
  • MARIA MULDAUR : Vocals
  • RY COODER : Acoustic guitar��
  • DAVID LYNLEY : Hawaiian guitar��
  • AMOS GARRETT : Electric guitar��
  • DAVID NICHTERN : Acoustic guitar��
  • TOMMY McCLURE : Bass��
  • CHRIS ETHRIDGE : Bass���きキ�
  • KLAUS VOORMAN : Bass�Ν�
  • JAMES CALHOUN : Bass��
  • FREEBO : Bass��
  • RAY BROWN : Bass��
  • JIM KELTNER : Drums�´��きキΝ┃�
  • JIM GORDON : Drums��, Organ��
  • CHRIS PARKER : Drums��
  • ED SHAUGHNESSY : Drums��
  • JOHN BOURDREAUX : Drums��
Producer : LENNY WARONKER & JOE BOYD
 月刊誌『レコード・コレクターズ』6月号の創刊25周年特別企画「70年代ロック・アルバム・ベスト100」(5月号は60年代、7月号は80年代)で見事に100位でランクイン(さすがレココレ、他の雑誌では無理だったのでは?)したマリア・マルダーのソロ・デビュー作品です。邦題は『オールド・タイム・レイディ』といいます。その邦題の意味は、彼女が古い考えの持ち主というわけではなく、この作品が1930年代をはじめとするアメリカのルーツ・ミュージックに取り組んだ作品だからなのです。発表時の名前は、彼女も参加していたジム・クウェスキン&ザ・ジャグ・バンドの名ギタリストでありコンポーザーだったジェフ・マルダーと結婚していた関係でマリア・マルダー(本名はMaria Grazia Rosa Domenica d'Amato)といいます。しかし残念なことに夫婦共作の2枚目『Sweet Potatoes』発表後の72年にジェフとは離婚しています。

 本作は、マリア・マルダーのソロ・デビュー作であるとともにアメリカン・ルーツ・ミュージックの再現という点でも名作ですが、豪華なゲストが多数参加している点でも有名なのです。

 まずは1曲目、ライ・クーダーによるフィンガー・ピッキングをバックにオールド・アメリカンの旅は始まります。それにデヴィッド・リンドリーのハワイアン・ギターとニューオリンズ風のホーン・セクションが加わり、まったり感たっぷりの世界に展開していくのです。2曲目は、74年にヒットして彼女の名前を世界に知らしめた名曲中の名曲です。ハイセンスなマリアのヴォーカルをバック・アップするのは、先日(2007.05.23)松山でライヴをやってくれたエイモス・ギャレットの星屑ギター、元デレク&ドミノスのジム・ゴードンのドラム、この作品で注目されたフリーボのベース、ニック・デカーロのストリングス・アレンジなのです。センス溢れるジャジーな世界が広がっています。3曲目は、マンドリン、フィドルがいい味を出しているブルーグラス風カントリー・フォーク。フォークダンスを思い出すのは私だけではないはず。アコギでクラレンス・ホワイトが参加しています。4曲目は、カントリー・バラード。ジム・クウェスキン・バンド時代からの仲間であるビル・キースのスティール・ギターがたまらない作品です。5曲目は、カントリー、ジャズがミックスされたオールド・タイム・ミュージック。歌詞に出てくる「草競馬」や「おおスザンナ」などのアメリカの歌なども郷愁をそそるのに一役買っています。

 6曲目は、マック・レベナック(別名:ドクター・ジョン)のピアノがいやが上にもニューオリンズへと誘ってくれる名曲です。まったり系のホーン・アレンジもさすがです。7曲目は、フィドルに導かれて始まるエキサイティングなジャズ。マリアの多重録音によるヴォーカル、コーラスも見事の一言です。8曲目は、7曲目でも活躍していたデヴィッド・ニックターンのアコースティック・ギターにビル・キースのスティール・ギターが加わり心の底まで癒してくれるやさしい作品です。9曲目は、再びマック・レベナックの参加によるニューオリンズ風R&B。ソウルフルなマリアのヴォーカルが素敵な作品です。10曲目は、アンドリュー・ゴールドがアコギ、マック・レベナックがピアノとホーン・アレンジ、ビル・キースがバンジョー、ジム・ケルトナーがドラム、クラウス・ヴァーマンがベースという垂涎のメンバーによる作品。最後は、マリアの艶っぽい魅力がたっぷり堪能できる浮遊感のある作品です。個人的には一番好きな曲です。

彼女の声は、けして骨太というわけではありませんが、その繊細さが逆に心に沁みるシンガーなのです。

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