ROCK STANDARD  051 RY COODER
ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています
CHICHEN SKIN MUSIC (1976)


  1. THE BOURGEOIS BLUES
  2. I GOT MINE
  3. ALWAYS LIFT HIM UP / KANAKA WAI WAI
  4. HE'LL HAVE TO GO
  5. SMACK DAB IN THE MIDDLE
  6. STAND BY ME
  7. YELLOW ROSES
  8. CHLOE
  9. GOODNIGHT IRENE
  • RY COODER : GUITAR, VOCALS
  • MILT HOLLAND : PERCUSSION�´きキΝ�, DRUMS�↓��Л�
  • JIM KELTER : DRUMS�´↓��き�
  • CHRIS ETHRIDGE : BASS�↓��キ�
  • FLACO JIMENEZ : ACCORDION�きΝ�
  • GABBY PAHINUI : STEEL GUITAR�Л�
  • ATTA ISAACS : SLACK-KEY GUITAR��, ACOUSTIC GUITAR��
  • RED CALLENDER : UPRIGHT BASS�きЛ�
60年代後半にロサンゼルスを中心にセッション・ギタリストとして活躍し、1970年にソロ・デビューをしたライ・クーダーの5枚目の作品です。フォークから出発したライですが、独特のスライド・ギターをマスターし次第にロック界でも名が知れるようになります。そんな彼がブルース、ロックへとその興味の対象を広げ、ついにテックス・メックス、ハワイアンへとたどり着きます。この作品はこうした時代に発表された作品なのです。その後も音楽の探求はとまることなくジャズやカリブ海などグローバルに広がっていきます。

はっきり言って、地味な作品です。発表された1976年(ROCK CLONICLE 1976)というと世の中はディスコやファンクといった強烈なビートが氾濫し、ジェフ・ベックやリターン・トゥー・フォーエヴァーなどフュージョン真っ盛りの時代です。そんな時代に合えて民俗音楽に目を向けるなんて・・・・・・。そんな男気(?)に私は惚れてしまったのです。

惚れた原因はもうひとつ。当時の愛読雑誌は、写真のたくさん掲載された『MUSIC LIFE』でしたが、ちょっと背伸びして本屋で立ち読みしていたのが大人のための(?)音楽雑誌『MUSIC MAGAZINE』だったのです。そこで紹介されるアーティストは一風変わった人たちが多く、ライ・クーダーもそんななかの一人でした。ローリング・ストーンズが、数ヶ月に渡るセッション(ライだけが真剣だったとか)の録音からライ・クーダーのアイデアを盗んで作り上げたのが『LET IT BLEED』だ!という記事を読み興味を持ったのが始まりでした。その作品には、マンドリンでの参加クレジットがあるだけ、日本人にありがちの判官贔屓に火が点いたのは言うまでもありません。

さて、作品の紹介へ。1曲目は、ライのボトルネック奏法が楽しめるカントリー・ブルース。2曲目は、道端で演奏しているかのようなブラス・バンドをバックにライが渋いのどを聴かせてくれるオールド・ポップ・ソング。3曲目は、マウンテン調のやさしい作品。ライは、南米のギターの一種のティプレとスラック・キー・ギターを弾いています。素朴ですが澄み切った空を思わせるティプレの音色など素晴らしいアレンジの作品です。4曲目は、フラコ・ヒメネスのアコーディオンをフィーチャーしたテックス・メックス。ボレロ調の哀愁漂う美しい作品です。

アナログではB面一曲目にあたる5曲目は、R&Bでライのセンスが光る作品です。エレキにマンドリン、ボトル・ネックが絡み合った切れのある作品です。6曲目は、さまざまな人にカヴァーされているベン・E・キングの作品。ライは、この作品をテックス・メックス風にアレンジしています。テンポを遅くしヒメネスのアコーディオンを加えた稀有な作品です。7曲目と8曲目はハワイでのセッション作品。ハワイの人間国法的存在のギャビー・パヒヌイ(本来はスラック・キー・ギター奏者)がスティール・ギターで参加しています。�Г蓮△泙気靴�ハワイアンですが、カントリー的な要素も加味されているように思います。ライは、スラック・キー・ギターでの参加です。�┐蓮�古いジャズ・ナンバーですが、ドップリのビア・ガーデンではなくてハワイアンに仕上がっています。ライのハワイアン・ギターとアッタのアコギ、パヒヌイのスティールの三つ巴での絡み合いは最高ですよ。最後は、50〜60年代に歌われたオールド・ソング。テックス・メックスのワルツとしてアレンジがなされ、ゆったりとした時の流れが感じられる作品に仕上がっています。フォーク、カントリー、テックス・メックスという北米の音楽がミックスされたクロスオーバーとでも言うべきでしょうか。

この作品のように地味な作品ばかりではありません。82年発表の『スライド・エリア』などは、ピーター・ゲイブリエルにも負けないリズムを強調した曲などバリバリのスライドギターを披露しています。ぜひ、聴いてみて下さい。

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