| ROCK STANDARD 041 SANTANA |
| ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています |
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名盤『キャラバンサライ』を発表した後、ジョン・マクラフリンなどとともにヒンズー教のスリ・チンモイに傾倒し宗教色の強いアルバム『魂の兄弟たち(ジョンとのコラボ)』を発表。続いてスタンリー・クラーク、アリス・コルトレーンなどとジャズ・フュージョンへと移行し、ロックを忘れたかに思われました。当然、ロック・ファンからは愛想をつかされたりしてセールスのほうもダウン。なんとかしないと、と本人ばかりではなくレコード会社の人間も一念発起してサンタナを動かし名盤を創り上げました。マネージャーにも旧知のビル・グラアムが復帰し、かつてのラテン・フレーバーを取り戻します。当時流行っていたアース・ウインド&ファイアーなどのファンキーな動きも巧みに取り入れ見事なアルバムを完成させました。往年のファンが満足したのはもちろんですが、ラテン歌謡と揶揄された「哀愁のヨーロッパ」は新しいファン層を獲得し、シングルのみならずアルバム自体も久々の大ヒットとなりました。
しかし、前作の『不死蝶』を聴いていただければ分かりますが、その作品の中に既にこの作品のヒントとなる曲が出来上がっていたのです。『キャラヴァンサライ』と『アミーゴ』を合体させたような作品で焦点は定まっていませんが、不出来な作品ではありません。機会があれば紹介したいと思っています。 ティンバレス、コンガが大活躍のラテンのリズムにのってカルロス・サンタナのギターが闊歩する一曲目を聴いたとたんに従来からのサンタナファンは涙したのではないでしょうか?『キャラヴァンサライ』から始まるシンセサイザーの効果的な使い方などの官能的な部分も見事に融合させて新しいサンタナ・ロックを表現してくれました。一大ラテン絵巻に圧倒されてください。2曲目は、ハードな演奏で始まるインスト曲です。ハモンド・オルガンをバックにカルロスのギターが宇宙空間を飛びまわる前半部とポップ・フュージョン系の後半部とで構成されています。3曲目は、新しいバンドとしてのサンタナが炸裂します。レオン・チャンクラーのタイトなドラム、ファンキーなベースにキーボード、ソウルフルなグレック・ウォーカーのヴォーカル、切れ味鋭いファンク・ワールドが広がっています。 4曲目は、スパニッシュ・ギターで始まる哀愁漂うラテン歌謡とでもいえる名曲です。すべてがスペイン語で歌われているのも雰囲気作りに一役買っています。タイトなフュージョン系のリズムにのって歌われるソウルフルなナンバーの5曲目に続いては、日本でも大ヒットしたギター歌謡の大名曲です。徐々に盛り上がる曲構成には鳥肌が立ったのを覚えています。サンタナの特徴であるギター・ボリュームの巧みなコントロールを十二分に味わってください。7曲目は、再びファンキーでソウルフルな作品。ちょっとコミカルでキャッチーなメロディが印象的な作品です。 もともとこのアルバムのタイトルはヒンズー語で「自由」を意味する『MOKSHA』になる予定だったのですが宗教色を減らしラテン的なイメージを高めるために変更されたそうです。 しかし、横尾忠則のカヴァー・アートが十分に宗教的であるのがミスマッチで面白いところです。 |