ROCK STANDARD  036 FOCUS
ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています
FOCUS ��(1972)


  1. ROUND GOES THE GOSSIP
  2. LOVE REMEMBERED
  3. SYLVIA
  4. CARNIVAL FUGUE
  5. FOCUS ��
  6. ANSWERS? QUESTIONS! QUESTIONS? ANSWERS!
  7. ANONYMUS ��
  8. ELSPETH OF NOTTINGHAM
  9. HOUSE OF THE KING
※CD(紙ジャケ)での曲順です
  • JAN AKKERMAN : GUITAR
  • THIJS VAN LEER : FLUTE, KEYBOARD
  • BERT RUITER : BASS
  • PIERRE VAN DER LINDEN : DRUMS
オランダのプログレッシヴ・ロック・グループ(再デビューはイギリスから)の第3作目です。いつもはアナログ盤での紹介ですが、今回は2001年9月に発売された紙ジャケ仕様の曲順で紹介します。というのも、7曲目の作品は収録時間が26分という長さのためアナログでは盤面が分かれていましたし、9曲目の作品は初CD化の時に割愛されたという悲しい歴史があるのです。やっとのことで完全な形での登場となったので、どうせ聴くなら紙ジャケをお薦めします。

前作『MOVING WAVES』で大ブレイクした勢いのまま製作されただけあって、曲の出来から演奏、展開まで非の打ち所のない名盤です。その影には、ベース奏者の交代が一役買っていると思います。シリル・ヘイヴァーマンズからバート・ルイターへの交代は、料理でいうと黒コショウ的な感じでしょうか。タイトなベース・ラインは、とくにクロスオーバー的な曲の展開で十二分に発揮されています。

フォーカスの音楽的特徴というと、一言で表すのは難しいというのが本音ですが、3分程度の軽いノリのポップな作品(さらっと演奏してますが高度な技術)は別にして長尺の曲での曲調やリズムの変化が凄いということでしょうか。それにジャズやクラシックなどの要素が加わって展開していきますので楽しさ倍増といったところです。

アルバムは、ジャズ・ドラムのアルバムか〜といった感じで唐突に始まります。が、すぐにキーボード、ギター、ベースが加わり対位法的な展開でスピーディーに展開、かと思うとタイスのヨーデルのような独特の声でのスローな展開に、そして……。一曲目からフォーカスの魅力満載で始まります。続く2曲目は、ロマンティックなフルートとシンセサイザーによる幻想的な作品です。3曲目は、前作に収録されていた「ホーカス・ポーカス(悪魔の呪文)」と並び彼らのヒット曲で代表作のひとつです。流れるようなヤン・アッカーマンのギターをフィーチャーした心地よい作品です。4曲目は、叙情的でクラシカルなピアノをフィーチャーした前半部、フルート(かな?ピッコロかな?)をフィーチャーしたアップ・テンポのジャズ・フュージョンの後半部からなる作品です。ノリの良いベースにジャジーなギターも楽しいですよ。5曲目は、自らのグループ名を冠した作品で第1作の「フォーカス」、第2作の「フォーカス�供廚紡海�3作目。ヤン・アッカーマンのバイオリン奏法によるメランコリック(表現が古いかな)なギターの美しさが心に沁みる作品ですが、途中にテンポを変えた部分を挟むことによりメリハリをつけるところがにくい演出です。最後もドラマティックに展開されます。でも、聴いていると簡単そうに演奏してるんですよね。6曲目は、躍動感溢れるジャジーな作品で、力強さを前面に出したフォーカスの違う一面が楽しめる作品です。7曲目は、中世音楽的なメロディを主旋律にして始まります。その後、荒々しいフルート、それに絡むギターがフリー・ジャズっぽく展開され見事な緊張感を体感できる作品です。8曲目は、小品ながらロミオとジュリエットが愛を語らっているような中世的な美しいメロディの作品です。最後は、CD化の時に割愛されたリズミカルな名曲。これも中世的な印象ですが、途中に入るブルージーなギターがアクセント。この曲を割愛するなんて!紙ジャケCDでの再発ですべての作品が収録されました。よかった、よかった!

リズム隊のメンバーが安定的ではなかったフォーカスですが、このときのメンバーとメンバーの意識の高さが最高ではないかと、私は思っています。プログレほど硬くならずにすみますし、ハード・ロックほど熱くならない、適度な運動の後の爽やかさがいいんです。

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