ROCK STANDARD  029 KGB
ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています
KGB(1976)


  1. LET ME LOVE YOU
  2. MIDNIGHT TRAVELER
  3. I'VE GOT A FEELING
  4. HIGH ROLLER
  5. SAIL ON SAILOR
  6. WORKIN' FOR THE CHILDREN
  7. YOU GOT THE NOTION
  8. BABY SHOULD I STAY OR GO
  9. IT'S GONNA BE A HARD NIGHT
  10. MAGIC IN YOUR TOUCH
  • MIKE BLOOMFIELD : GUITAR
  • RICK GRECH : BASS
  • CARMINE APPICE : DRUMS
  • RAY KENNEDY : VOCAL
  • BARRY GOLDBERG : KEYBOARD
う〜ん、ついに!ついに!CD化。大手のMCAからの発売だったにもかかわらず、なかなかCD化されなかった作品だったのです。アナログのレコードは、これ以上針を落すとダメになりそうだったので聴くに聴けない状態が十数年も続いていたのです。しかし、国内ではなくイギリスでの発売、早速ネットで注文したところ22日(18日発売)に到着。あまりの速さに狂喜乱舞でした。

このグループ名とアルバムのタイトル『KGB』は、ソビエト連邦の秘密警察の名前ではなく中心メンバーのレイ・ケネディの「K」、バリー・ゴールドバーグの「G」、マイク・ブルームフィールドの「B」という頭文字からの命名です。発売当時に、リック・グレッチは同じ「G」なのでいいものの、カーマイン・アピスの立場はどうなるのだろうなどと、要らぬお世話をしたものでした。でも、もっと腑に落ちなかったのは第1作でグループを脱退したマイク・ブルームフィールドがいなくなった後も『KGB』だったこと。どうでもいいですね・・・・・・。

そろそろアルバムの紹介を。このグループは、スーパー・グループとして期待されたグループでした。ファミリー、ブラインド・フェイス、エアー・フォースとブリティッシュ・ロックの王道を歩いてきたリック・グレッチとヴァニラ・ファッジ、カクタス、ベック・ボガート&アピスで活躍しロック界屈指のドラマーといわれたカーマイン・アピスのリズム隊にアメリカ・ホワイト・ブルースのギタリストとして名声をほしいままにしてきたマイク・ブルームフィールドを中心にしたバンドです。そのメンバーに、ブルームフィールドの永年の友達であるバリー・ゴールドバーグ、このアルバムでもコンポーザーとしての力を遺憾なく発揮しているヴォーカリストのレイ・ケネディの5人によるブルースを基調としたバンドです。

手だれのメンバーがいるとはいえアルバムの印象を決定づけているのはレイ・ケネディのソウルフルなヴォーカルなのです。全体的にレイド・バックした感じの演奏に一本筋を通しているということが、聴いてもらうと良く理解してもらえると思います。もともとマイク・ブルームフィールドは、ガンガン前に出てくるタイプの人ではないので余計そういう印象なのだとは思いますが 、それにしてもすばらしいヴォーカルです。

1曲目は、すばらしいバンド・アンサンブルが聴けるハードでファンキーなブルース・ロックです。私は、この1曲でノックアウトされてしまいました。さりげなく弾いているようですが、さすがと思わせるマイク・ブルームフィールドのギターソロや曲を締めるリズム隊に粋なキーボードなど、この1曲にKGBの魅力が集約されています。ファーストシングルとして日本でも発売されましたが、それほどヒットしたわけではありません。時代的には少々重たかったのかもしれません。2曲目はピアノをバックに歌い上げられる、しっとりとしたカントリー風のバラード。美しい曲です。3曲目は、スライド・ギターに導かれて始まるR&B、ゴスペルタッチのサザン・ロックです。この曲ではマイク・ブルームフィールドのスライド・ギター・ソロが光ります。4曲目は、正にレイド・バック。滑らかなギターや曲調ははクラプトンの『461オーシャン・ブールバード』を思わせますが、こちらは、さらに南部色が強く出ています。ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンとレイ・ケネディの共作でありビーチボーイズの曲のカヴァーの�イ蓮△海離▲襯丱爐涼罎任眥阿�応え十分のブルースに仕上がっています。

6曲目からはB面になりますが、いきなりレゲエで始まります。リズム隊の音が重いのが特徴で弾けるような明るさは感じられず、途中から入ってくるマイク・ブルームフィールドのギターソロによりKGBのレゲエの完成となります。7曲目は、KGB風カントリー・ロックといったところでしょうか。ここでも南部風のアレンジが施されています。トーンを変えたマイク・ブルームフィールドのギターソロがポイントになってゆったりとした気持ちにさせてくれます。レイ・ケネディのソウルフルな歌声を堪能できるバラードの�┐紡海い董▲戞璽垢離蝓璽匹芭篭�く歌われるモータウン風の��、最後の��はしっとりとしたラヴ・ソングでストリング、コーラスが終幕に向けて雰囲気を盛り上げる美しい曲です。

アルバム収録曲の中には、ブルース・ロックやハード・ロックのファンには物足りない曲もあるかもしれませんが、汎アメリカン・ロックの集大成的なアルバムとして考えると歴史的名盤といって差し支えないと思います。かなりの独断ですが、『ROCK STANDARD』に入れさせてもらいました。

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