| ROCK STANDARD 027 RICK WAKEMAN |
| ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています |
![]() 01 CATHERINE OF ARAGON 02 ANNE OF CLEVES 03 CATHERINE HOWARD 04 JANE SEYMOUR 05 ANNE BOLEYN 'THE DAY THOU GAVEST LORD HATH ENDED' 06 CATHERINE PARR Bass DAVE WINTER(2,4) CHRIS SQUIRE(1) CHAS CRONK(3) LES HURDLE(1,5) Guitar MIKE EGAN(1,2,5,6) DAVE LAMBERT(3) STEVE HOWE(1) Drums ALAN WHITE(2,4,6) BILL BRUFORD(1,5) BARRY DE SOUZA(3) Percussion RAY COOPER(1,5) FRANK RICCOTTI(2,3,6) Electric Banjo DAVE COUSINS(3) Vocals LIZA STRIKE(1,5) LAURA LEE(5) BARRY St. JOHN(1) SYLVIA McNEILL(5) JUDY POWELL(1) |
リック・ウェイクマンの初ソロアルバムで、当時の最先端のデジタル楽器(キーボード群)を駆使した作品です。そこに、このアルバムの歴史的価値があるんです。駆使したと言うよりは、苦労してイマジネーションを発揮したといったほうがいいのかもしれません。当時のシンセサイザーやムーグ(モーグさんが開発したので正式にはモーグかな?)に至っては『覚えてなんぼ』というアホな機械(楽器とは呼べなかった、鍵盤はスイッチの役割)だったのです。といっても若い方には理解できないなぁ。今のパソコンに例えるとわかりやすいかも。キーボードが鍵盤(英語が日本語?、ニュアンスはわかってください)、モニターが周波数などを表示する役割、サーバーがさまざまな音を記憶する役割(余計わかりにくいかな?)だったのです。今のエレクトーンより能力的には低いと考えれば(今のエレクトーンは凄すぎ!値段も凄いけど)、うっそー!という世界です。 そうとはいうものの、そのなかでアコースティックのピアノ、デジタルのシンセ、ムーグを駆使して作られたアルバムは、いまだに色褪せない魅力があるのです。ひとつには、ウェイクマンのピアノの音の美しさです。エレクトリックの楽器を操るアーティストにありがちなタッチの弱さというかメリハリの無さが全く無いのです。さまざまなセッションで、さまざまなキーボードを楽曲にあわせて弾いてきた成果だと思います。 イエスに加入後、A&Mとの契約が残っていたために制作された作品ですが、一番脂の乗っていた時期の作品でもあります。この後少し大仰な作品を発表しますが、この作品は文句無く彼の代表作でしょう。イギリスのチューダー朝の王であるヘンリー8世の六人の妻にスポットを当てるという発想も見事ですが、曲ごとに違ったメンバーにより演奏されているのも魅力のひとつです。一番うれしかったのは、既にイエスを脱退していたビル・ブラッフォードとイエスに新加入したアラン・ホワイトのドラミングの比較が出来る事でした。 その『危機』を制作したメンバー(ビル、スティーヴ・ハウ、クリス・スクワイア)が参加した曲から、アルバムはドラマチックに始まります。収録されている中では一番短い曲ですが、最高の出来だと思います。2曲目は、ジャズやラテンの要素も取り入れてスピーディーに展開される曲です。凄まじいリズムとハモンド・オルガンによる演奏が聴き所ではないでしょうか。3曲目は、美しいアコースティック・ピアノの演奏で始まる曲です。アコースティック・ピアノを中心にしながら進んでいく展開は、いきなりのムーグ・シンセサイザーの登場で急展開し緊張感が増します。最後はメロトロンによる壮大なエンディングです。最後の〆は、フルートのミニ・ムーグでしょうか?4曲目は、荘厳な教会のパイプオルガンを思わせる神聖な始まり方です。途中に入ってくるミニ・ムーグがドラマティックに曲を盛り上げます。5曲目は、まるで映画の主題曲とでも言うような哀愁漂うジャズ調のピアノで始まりますが、すぐにハードな展開に、そしてアコースティック・ピアノを中心にした悲しげな曲へ、その後ジャズ、ファンキーなハード展開へと目まぐるしく変化する楽しい曲です。最後の曲は、1曲目同様にバンド・アンサンブルを重視した作品になっており緊張感の漂うロックが展開されています。コーラスのメロトロン?も効果的な使われ方がされています。 次作では、シンセやムーグでは物足りなくなったのかロンドン交響楽団、同室内合唱団との共演を実現させ壮大な『地底探検』を発表します。少し大仰ですが、こちらもお薦めです。 |