愛すべきB級たち |
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この中に入れられてしまったグループや個人の人たちには非常に申し訳ないですが、個人の独断と偏見と言う事で許してください。 しかし、私は、これらの人たちを心から愛してやまない人間の一人でもあります。実力がありながら運がなかったことが、私にとって(B級ファン)はありがたかった。周囲の人間があまり知らない音楽を一人で楽しめるのだから。 | ![]() |
ブリティッシュ・ロック展示室 |
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BUDGIE / Never Turn Your Back On A Friend |
![]() | バッジーが全盛期に向かうきっかけになった3枚目。メタリカのカヴァーで有名になった「Breadfun」を含んでいます。メタリカのカヴァーの後、再評価がなされたバンドでもあります。非常に特徴のあるハイトーンヴォイスとヘヴィーなギターリフがバッジーの特徴ですが、長尺の曲なども得意としており、最後は、名曲「Parents」で締めくくられます。かなりエッジの効いたハード・ブルース・ブギ系ですので気分をすっきりさせたい時に聴いてください。 ![]() |
BUDGIE / In For The Kill |
![]() | 現在はメンバーチェンジによりメンバーがそっくり入れ替わっていますが、今も活躍しているバッジーの代表作。彼らを説明するのに一番のナンバー「In for the Kill」に代表されるうねりを上げるギターリフと巧く絡んだベースライン、ハイトーンのヴォーカル。こんなグループ他にはいないんだけどなぁ。ブルースを基調にした重く地を這うようなナンバーからソリッドなヘヴィーロックまで、十分にロックを堪能できる一枚です。ベスト盤も発売されてますので入門編として購入してはいかがでしょうか。 |
ATMIC ROOSTER / ATMIC ROOSTER(1970) |
![]() | 日本では、EL&Pのカール・パーマーが在籍していたと言う事で有名なバンドのデビュー作ですが、全編攻撃的な曲で構成される本作は、まさに初期ハード・ロックの名盤です。特にすばらしいのはアレンジ面です。ハモンドオルガンやピアノの効果的な使い方などはEL&Pに通じる面もあるし、ホーンセクションの導入などもすばらしいアクセントとなっています。しかし、基本はあくまでもブルースであり70年当時の混沌としていたロックを色濃く象徴しています。 |
ATMIC ROOSTER / IN HEARING OF(1971) |
![]() | ヴォーカル専任としてピート・フレンチを迎えての第三作目。前二作の攻撃性が薄れてはいるものの、ピートの加入によりブルージーでファンキーな面も現れ曲の完成度は高くなっている感じがします。全編を聞き終わった後の充実感は、ピートの加入によるところが大きいと思いますが、他のメンバーのヴォーカルへの絡みにこそ味があるというところが見逃せません。その後ピートはカクタスへ参加し名ヴォーカリストとして名を上げます。 |
DARRYL WAY & WOLF / CANIS LUPUS(1973) |
![]() | カーヴド・エアー脱退後のダリル・ウェイが結成したプログレッシブ・ジャズ・ロック・バンド。イアン・マクドナルドのプロデュースによる本作品は、ダリル・ウェイのヴァイオリンとマイク・エサリッジのギターを中心に展開される。マクドナルドの影響でプログレッシブ色が強く出ておりキング・クリムゾン的な部分も見られておもしろい。アナログでは、A面がヴォーカル・サイド、B面がインストゥルメンタル・サイドなっており、B面の演奏は壮絶なものがあります。 ![]() |
DARRYL WAY & WOLF / SATURATION POINT(1973) |
![]() | ジャズ・ロック色を強めたセカンド。プロデューサーの交代による影響もあるが、ギターのエサリッジが作曲に大きく関わるようになったことが原因でしょう。クラシック色の強いウェイの楽曲とジャズ色の強いエサリッジの楽曲が違和感なく存在し、完成度という点では前作を上回ると思います。ヴォーカル曲も1曲のみと減ってしまい、個々のテクニックが十分に堪能できる作品です。 |
GUN / GUN |
![]() | ポールとエイドリアンのガーヴィッツ兄弟を中心にした3人組のデビューアルバム。ロジャー・ディーンによるおどろおどろしい悪魔のジャケットからか邦題は『悪魔天国』、ジャケットも傑作ですが、それに負けない斬新な音が特徴です。ストリングスやコーラスの導入方法が革命的であったし、ハードロックの原点とも言える作品です。ヘヴィーでスピーディ、なおかつプログレッシヴな曲作りは、今聴いても全く古さを感じさせません。 |
BABE RUTH / FIRST BASE(1973) |
![]() | アラン・シャックロックを中心にした異色バンドのデビュー作。英国のバンドであるにもかかわらず野球の有名人をバンド名にしていることからも奇異なバンドという想像がつきますが、アランの作曲とアレンジ力は聴き手を十二分に楽しませてくれます。紅一点のジェニーのヴォーカルと変幻自在のアランのギターワークが聴きものです。マカロニウエスタンの曲「メキシカン」は、強烈な印象を残してくれます。因みに邦題は『一塁占領』でした。ジャケットを当時は飛ぶ鳥を落す勢いのロジャーディーンが担当。 |
STILL LIFE / STILL LIFE(1971) |
![]() | 幻の名盤と言うのは、まさにこのアルバムのためにあると言えます。作曲、アレンジからジャケット(見開きのジャケットは髑髏の上に花がのせてある)にいたるまですばらしいの一言に尽きるのですが、グループのメンバー名すらわからないと言う謎だらけのグループ。ハモンドオルガンを中心にした演奏は、熱い中にも落ち着きを感じさせてくれます。まさに大人のロックが展開されるのです。演奏者についてはさまざまな憶測が生まれましたが未だに謎です。 |
FOGHAT / ROCK & ROLL OUTLAWS(1974) |
![]() | アメリカデビューなのですが出身がイギリスのため英国に入れています。私の中ではSLADEとともに大好きなハードブギバンドです。スピード感溢れるドライブ感がたまりません。中心メンバー3人がブルースロックバンドのサヴォイブラウン出身と言う事もあり演奏力は折り紙つき、ブルース色溢れる演奏を下地としてアメリカ色も加味されドラマチックな展開を披露してくれます。聴き終わりが爽やかな一品です。 |
FOGHAT / FOOL FOR THE CITY(1975) |
![]() | ハード・ブギ・ロック・バンドとしてアメリカでの立場を確立させた作品です。ロッド・プライスのハードドライヴィングなギターやスライドギターが炸裂する本作はカヴァー曲も含めてすばらしいの一言です。都会も好きだけど田舎も捨てがたいと唄われるタイトル曲をはじめとしてFOGHATの魅力がいっぱい詰まっています。ブリティッシュロックとアメリカンロックが見事に融合した傑作です。ちなみに本家アメリカでは100万枚以上の売上を記録しています。日本の評価は低ーい。 ![]() |
BARCLAY JAMES HARVEST / EVERYONE IS EVERYBODY ELSE |
![]() | それまでのオーケストラの導入から心機一転、レーベルをポリドールに移しての第5弾。シンセサイザーやメロトロンを導入し美しいロックアンサンブルを聴かせてくれます。初期イエスにも似たフォークロックからイーグルスやアメリカのような爽やかなコーラス、ギターをフィーチャーしたロックまで、現在なら癒し系の筆頭になりそうな曲が並びます。 |
CLEAR BLUE SKY / CLEAR BLUE SKY(1970) |
![]() | 混沌の1970年、シンセサイザーやメロトロン、ワウワウやファズなどのエフェクター、新しい音楽を生むさまざまな機器が登場し一般的になっていく中で発表されたデビュー作。エフェクト処理されたギターを中心に重たいリズムが特徴です。ブルースを基調にしたサウンドをバックに妙に乾いたヴォーカルが絡み、ロジャー・ディーンの描いたジャケットと一体化します。随所に見られるジャジーな表現などを聴くと、その当時のロックへの追求がいかに混沌としていたかが分かります。 |
GRAVY TRAIN / BALLAD OF A PEACEFUL MAN(1971) |
![]() | ギターのノーマン・バレットを中心にしたプログレ、ジャズ系バンドのセカンド作品。特徴は、ギター以上に印象に残るJ.D.ヒューズの奏でるフルートでしょう。同様なスタイルのジェスロタルとは違い、強烈な個性を持った人間がいない分アンサンブル重視の作品が並びます。ジャズ、フォーク、クラシック、ハードロックとさまざまな曲が並んでいますが全体の構成はバランスが取れており違和感なく聴くことができます。 |
GRAVY TRAIN / STAIRCASE TO THE DAY(1974) |
![]() | ロジャー・ディーンのすばらしいジャケットの印象が強すぎて正当な評価を受けていない作品です。シンセサイザーの導入などによって幅も広がり、よりヘヴィーになった作品群の出来は良いものの統一感が今ひとつという感じはします。しかし、このグループの特徴は十分現れておりアコースティックとエレクトリックの融合もユーライア・ヒープのレベルには達していないものの高水準です。セカンドを最高作と言う人が多いですが、私にはこちらの方がロック的で親しみ易くて好きです。 |
PLUTO / PLUTO |
![]() | 廃盤マニアの間では幻のプログレバンドとして有名なグループの唯一のアルバム。しかし、実際にはプログレというよりもパブロック、ガレージロックとでも言うべきでしょう。演奏や曲作りにちらっと光るものがありますが、同時に粗さが目立ったり古臭かったり(まだ1973年だというのに)とB級にも達していないところが気に入っています。これからというバンドだったのですが、この後消息不明に。これからバンドをやろうかという人には反対の意味で非常に勉強になる作品です。 |
CARAVAN / IN THE LAND OF GREY AND PINK(1971) |
![]() | カンタベリー・ミュージックを代表するキャラバンの三作目。アン・マリー・アンダーソンによるファンタジックなジャケットとともにキャラバンの人気を浮動のもの(日本ではイマイチでしたが)にした出世作。ポップな4曲で構成されているA面とジャズロックの要素が強い組曲1曲のB面の両方に流れている基本精神は、カンタベリーの基本であるやさしさです。そこには適度な緊張感とともに牧歌的な世界が広がっています。![]() |
CARAVAN / CUNNING STUNTS(1975) |
![]() | ヒプノシスの幻想的なジャケットに包まれた第七作。キャラヴァンの最大のヒット作であり最高傑作です。基本姿勢である牧歌的なやさしさはそのままに円熟の域に達した演奏によってバラエティー豊かな曲を提供してくれます。アメリカンロックっぽい曲もあったりして以外にポップな印象を受けますが、そこが一般に受けたんでしょう。自分たちの力を見せつける強引さがあけば超一流の仲間入りをしているんでしょうが、そこがカンタベリーの良いところです。 |
アメリカン・ロック展示室 |
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OUTLAWS / OUTLAWS(1975) |
![]() | サザンロックバンドとしては5番手くらいのデビューですが、カントリテイスト溢れる独特のサウンドは、爽やかそのものです。デビュー作であるこの作品は、セールス的にはアメリカで13位とヒットしたアルバムですが、日本ではあまり話題になりませんでした。サザンロックといえばオールマン、レイナード・スキナード、リトルフィートという先輩たちのイメージが出来上がっていたのが原因かも。ウェスト・コーストにも通じるサウンドは、聞いて損なしです。スリープ・デザインはJanet Magerが担当しています。 ![]() |
OUTLAWS / LADY IN WAITING<(1976) |
![]() | このセカンドアルバムも、デビュー作と同じくプロデューサーにドアーズなどを手がけたPaul A. Rothchild、スリーブアートがJanet Magerが担当。根っからのサザンマンが一人だけという珍しいサザンロックバンドらしく、このアルバムも他のサザンロックバンドとは一線を画す仕上がりになっています。もちろん、ツインリードで迫る南部らしいロックンロールはもちろんですが、コーラスワークを巧く利用したハーモニーを重視している点がウェストコースト風と呼ばれる所以でしょう。このセカンドでは、デビュー作よりもその点が強調されています。 |
CRAZY HORSE / CRAZY HORSE(1971) |
![]() | ニール・ヤングのバックバンドとして有名なクレイジー・ホースのファーストです。メンバーには、あの怒涛のギタリスト、ニルス・ロフグレンがいるんです。後のソロとは違って随所で味のあるギターを聴かせてくれます。亡くなりましたが、ダニー・ウィットンの作曲能力の高さを十分に感じることのできるバラエティーに富んだ11曲です。基本的には、バッファロー・スプリング・フィールドなどの流れをくむ曲が多いのですが、初期のイーグルスなどと比較しても遜色のない出来栄えです。 ![]() |
CRAZYHORSE / LOOSE(1972) |
![]() | ダニー・ウィッテン(72年11月死去)、ニルス・ロフグレンなどが脱退、3人の新メンバーが全曲を作曲し発表されたセカンド。全く違うバンドになってしまってもニール・ヤングという強い繋がりがあるためかサウンド的には前作同様ゆったりしたカントリー・ロックスタイルが貫かれている。バラエティーさに欠けるためか前作より地味な印象ではありますが、味わいという点では負けていません。CSN&Y的なところも見え隠れして爽やかなアルバムです。 |
ANGEL / ANGEL(1975) |
![]() | KISSのジーン・シモンズの肝いりでデビューしたルックス良し、楽曲良し、演奏良しの三拍子そろった期待の新人のデビュー作。ギターとキーボードを中心としたドラマティックな曲作りはこのデビュー作で完成の域に達していた。ハードロックとアメリカンハードプログレの融合とでも言うようなそのサウンドは、当時の最先端といえる音だった。日本ではビジュアルが先行し正当な評価が得られなかったように思えます。70年代のロックの変遷史においては欠くことのできないアルバムです。 |
ANGEL / ANTHOROGY |
![]() | QUEEN,KISS,AEROSMITHを脅かす存在とまで言われて期待されたもののビジュアル先行のバンドと思われ正当な評価をしてもらえなかったANGELを理解するにはこれしかない。ハードロッカーとして彼らが輝いていたのは第二作目までですが、その後も質の高い曲を提供してくれていました。このベスト盤はそんな彼らの質の高さとドラマチックな演出を学習するのにうってつけです。パンクムーヴメントの勃発により行き場を失ってしまったのが何とも残念です。 |
SILVER / SILVER(1976) |
![]() | 爽やかな一発屋シルバー唯一のアルバム。イーグルスのバーニー・レドンの弟トム・レドンが在籍していたことでも知られていますが、「恋のバンシャガラン」のスマッシュヒットにより名前を知っている人もいるかも。ミディアムテンポのロックナンバー「恋の・・・」とは異なり、美しいコーラスを中心としたやさしいバラードを聴かせてくれます。なんとも心和む作品です。 |
STEVE STEVENS / ATMIC PLAYBOYS(1989) |
![]() | 70年代の作品ではありませんがB級としては外すわけにはいきません。ビリー・アイドル・バンドのギタリストとして有名?ですが、とてつもないテクニックでさまざまな曲を弾きまくっているこのアルバムこそ、始めて主役として踊り出た気がして涙したものです。1986年には映画『TOP GUN』の主題曲でベストパフォーマンス賞も受賞しているんです。とにかくカッコいいアルバムです。ギター弾きは必ず聴きましょう。 |
BOZZIO LEVIN STEVENS / BLACK LIGHT SYNDROME |
![]() | XXXXXXXX YYYYYYYYYYYYY |
MARSHALL TUCKER BAND / SEARCHIN' FOR A RAINBOW |
![]() | オールマンブラザース、レーナードスキナードとともに活躍したサザンロックグループの作品です。オールマンほどのブルース色が強いわけでもなく、レーナードほど攻撃的でもないカントリーを主体としたリズミカルでスピーディー、華麗なコーラスワークを売りにしていたバンドです。演奏力はもとより聴き手をあきさせない曲構成などがすばらしく、収録時間は短めですが、ぜひコレクションに加えてほしい一枚です。![]() |
SEALS & CROFT / SUMMER BREESE |
![]() | S&GならぬS&Cとして数々のスマッシュヒットを放ったデュオの通算4枚目のアルバムです。バハーイ教の信者である二人の作り出す音は、どこか中近東の香りがして不思議な魅力があります。テキサス出身なのでウエストコーストではありませんが、当時はその爽やかさからかウエストコーストサウンドのひとつとして紹介されていました。『想い出のサマーブリーズ』『ハミングバード』『ユーフラテス』など彼らの代表曲の詰まった一枚です。 |