WEEKLY PICKUP  030 JOURNEY
WEEKLY PICKUPは、70年代を中心にしたロックの埋もれそうな名盤・迷盤を紹介しています
NEXT(1977)


01 SPACEMAN
02 PEOPLE
03 I WOULD FIND YOU
04 HERE WE ARE
05 HUSTLER
06 NEXT
07 NICKEL AND DIME
08 KARMA


GREGG ROLIE : Keyboards, Lead Vo.
NEAL SCHON : Guitars, Lead Vo.
ROSS VALORY : Bass
AYNSLEY DUNBAR : Drums
ジャーニーが結成されたのは、1973年のサンフランシスコ。サンタナ初期の傑作として名高い「キャラバンサライ」のレコーディング中にバンドを脱退した2人(ニール・ショーン、グレッグ・ローリー)を中心にして、ジャーニーは生まれました。サンフランシスコといえば、フラワー・ムーブメント。そういう土壌を反映してか、デビュー・アルバムは、スペーシーでサイケなインスト・パートを中心とした曲で構成されています。サイケでブルージー、それにプログレッシヴの香りさえする楽曲は、同じサンフランシスコ出身のスティーヴ・ミラーの初期2作にも見られますが、こちらは68,69年の話。

このアルバムは、インスト志向の強かった頃のジャーニーの最後の第3作目です。時は、1977年、ジャケットは、どう贔屓目に見ても70年前後のデザイン。音の方も68〜75年を網羅したような曲作りがなされています。

しかし、このアルバムにこそ、その後のジャーニーの原点が見られるんです。アルバムの統一感のなさは、素人にも一聴瞭然ですが、一曲一曲は聴けば聴くほど興味深い曲ばかりなんです。70年前後のサイケでコズミックなサウンドを進化させ、独自の精神的世界をハードにメロディアスに描こうとしています。

メロウなソフトタッチの曲からアルバムは始まります。ジャーニーお得意のスペイシーな音作りがなされたロック・バラードです。サンタナゆずりの泣きのギターが宇宙空間を飛んでます。2曲目は、サイケな味付けがされたビートルズっぽい曲ですが、後半では質の高いハードなインストが楽しめます。3曲目は、グレッグの東洋的なイントロで始まり、行く先の見えなくなった迷えるバンドの心境を歌ったかのような重く、暗い観念的なブルース・ナンバー。スローなナンバーを挟んで5曲目は、ハードなブルース・ロック。活き活きとしたニール・ショーンのギターが印象的です。6曲目は、ハードさとメロディアスな面が合体した後期ジャーニーへの布石とも思える曲です。この曲を聴くと次作から専任のヴォーカリスト(スティーヴ・ペリー)を補充した意図が理解できるような気もします。7曲目は、メンバーの演奏力の高さを証明するかのようなハードなインスト曲。最高のバンドアンサンブルが楽しめます。最後は、ハードでヘヴィに迫ってくれます。その後のジャーニーからは想像がつかないくらいの重い一発です。

過渡期の迷盤ですが、名盤でもあります。

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