WEEKLY PICKUP  026 PARIS
WEEKLY PICKUPは、70年代を中心にしたロックの埋もれそうな名盤・迷盤を紹介しています
PARIS(1976)


01 BLACK BOOK
02 RELIGION
03 STARCAGE
04 BEUTIFUL YOUTH
05 NAZARENE
06 NARROW GATE
07 SOLITAIRE
08 BREATHLESS
09 ROCK OF AGES
10 RED RAIN

ROBERT WELCH : Guitars, Vo
GLENN CORNICK : Bass, Keyboards
THOM MOONEY : Drums
Produce by JIMMY ROBINSON
フリートウッド・マックのポップ・AOR化路線に耐え切れず?脱退(本人は脱退の理由は特になかったとコメントしてました)したロバート(ボブ)・ウェルチに元ジェスロ・タルのグレン・コーニック、元トッド・ラングレンのナッズのトム・ムーニーによるパワー・ロック・トリオのデビュー作です。

デビュー当時は、第二のレッド・ツェッペリンなどと紹介された記憶が残ってますが、全体的にはシンプルで鋭角的なサウンドが特徴のバンドです。多重録音やエフェクト処理などの録音方法とミキシングにより斬新な感じがしましたが、今聴いてもそれほど古さを感じません。キャッチーなメロディーやギター・リフのなせる技なのだと思います。

アルバムは、エッジの効いた名曲で始まります。魅力的なギター・リフ、ハードなベース・ライン、特徴的なドラミング、パリスのすべてが凝縮された名曲です。2曲目は、第二のレッド・ツェッペリンと言われたようにツェッペリン風ではありますが、ジェット・マシーンなどのエフェクト処理により斬新な印象が残る曲です。3曲目は、シンプルではありますが、スペイシーな味付けがなされたスピーディーでハードな作品。うねるようなベース・ラインも気に入っています。4曲目は、ちょっとファンキーな感じで素敵な曲です。ギター・リフも気に入っていますが、何気なく参加しているシンセサイザーの効果も見逃せません。ギターの多重録音が上手くはまったドラマチックな5曲目に続いて、6曲目は、パリス流プログレッシヴ風のアプローチが光る曲です。ここでも、エフェクト処理を上手く使用してドラマチックな曲に仕上げています。曲調の変化など構成力の高さを発揮した作品です。7曲目は、タイトでハードなR&Rです。一転して8曲目は、重たく迫ってきます。ブラック・サバス的ではありますが、からりとした印象があるので、それほど沈み込むことなく済みます。9曲目もパリスの本領発揮的な作品で、多重録音やエフェクト処理の効果を最大限に引き出したまとまりのある曲です。最後の曲は、最初にウエスト・コースト風のコーラスが飛び出してきて驚かされますが、ヘヴィーに変身し、かっこいいギター・リフが飛び出しスピーディーに展開していきます。音の洪水というのがピッタリの曲で、最後を飾るにふさわしい曲です。

フリートウッド・マックにジェイミー・スペンサー脱退後に加入し、バンドのポップ化路線の基礎を築いたボブ・ウェルチの魅力が満載のアルバムなんですが、時は既にパンク・ブームのうねりが押し寄せてきておりパリスの居場所は無かったのかもしれません。楽曲的にもすばらしいのですけど・・・・・・。

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