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WEEKLY PICKUP 001 ALAN WHITE
WEEKLY PICKUPは、70年代を中心にしたロックの埋もれそうな名盤・迷盤を紹介しています
RAMSHACKLED(1976)

  1. OOOH BABY
  2. ONE WAY RAG
  3. AVAKAK
  4. SPRING-SONG OF INNOCENCE
  5. GIDDY
  6. SILLY WOMAN
  7. MARCHING INTO A BOTTLE
  8. EVERYBODY
  9. DARKNESS(Parts 1 2 3)
  • ALAN WHITE : Drums, Percussion
  • GEOFF DOWNES : Keyboards
  • STEVE BOYCE : Basses, Vocals
  • KARL HAUG : Guitars, Vocals
  • KEVIN CURRIE : Vocals
Produced by WHITE
ご存知、イエスのドラマーとして有名なアラン・ホワイトのソロデビュー作です。1974年に『RELAYER』を発表したYESは、メンバー全員がソロアルバムの制作に取り掛かります。まずは、スティーヴ・ハウの『Bignnings』、かなり趣味的ではありますがイエスのギタリストとしてイエスの一面を担っているということが確認できる作品でした。つぎが、クリス・スクワイアーの『Fish Out of Water』。何やら意味深なタイトルが気になりましたが、やはり、”One of YES”でした。3番目が、『RELAYER』でタイトなキーボードを披露したパトリック・モラーツの『Story of I』。脱退のきっかけ(?)にもなったほどの名作です。

そして4番目に登場したのが本作だったのです。他のメンバーの作品は、なんとなく想像がつくもののアラン・ホワイトの場合、想像しづらいためにあまり期待もしていなかった、というのが本音でした。 しかし、聴いてビックリの本格派のロック。YES加入前のセッションプレイヤーとしての経歴は、伊達じゃないなという感じでしょうか。プラスチック・オノ・バンドに在籍?していたのは有名ですが、故ポール・コゾフのアルバム『Back Street Crawler』にも参加してコゾフの野太いギターに負けないドラミングを披露しています。

さて、肝心の音のほうはどうかというと、発売から30年が経過しようとしているにもかかわらず古臭さを感じない最高の作品です。最高の技術と力強いリズムに裏打ちされた演奏力とバックミュージシャンの適材適所の配置がすばらしい味付となっています。針を落したとたんに始まるファンキーな曲に戸惑いを感じながらも、ずるずるとALAN WHITEの世界に引きずり込まれてしまいます。ソングライティングの凄さをまざまざと見せつけるように、アフロロックやブリティッシュロックからフリージャズ的なアプローチ、バラードまでバラエティーに富んだ内容です。特筆すべきはその演奏力です。適度な緊張感と絶妙のアンサンブルが聞き手を虜にしてしまいます。イエス的なアプローチも随所に見られますが、素直にALAN WHITEのロックアルバムとして聴いてみてください。必ずはまります。

アルバムは、ホワイトのドラミングとピーター・カートレイのギターが印象的でリズミカルなクロス・オーバー的な①で始まります。次はジャズ的アプローチが光る②、ピアノの奏でる美しいメロディーで始まりドラマチックな展開を見せる③、BUD BEADLEのサックスがきまってます。イエスのジョン・アンダーソンとスティーヴェ・ハウが参加した④は、『RELAYER』の「SOON」的なアプローチで、このアルバムの中では唯一イエス的です。アフロ・ロック系でソウルフルな⑤もノリノリになる素敵な曲です。⑥は、レゲエのリズムで迫り、⑦はフルートが印象的で牧歌的な小曲。⑧は、ダイナミックなホーンや女性コーラスを導入したパワフルな曲。最後の⑨は、ホワイトのコンポーザーとしての能力が十二分に発揮されたすばらしい曲です。そこかしこにイエス的な部分が見え隠れしていて面白いですし、映画を見ているような感じにもなるドラマ性が感じられる曲でもあります。

この作品の後、C.スクワイアーとのバンド構想などはあったもののソロでの作品発表がなかったA.ホワイトでしたが、2006年になって『WHITE』という作品を発表しました。キーボードにジェフ・ダウンズが参加している以外は無名と言っていいメンバーですが、A.ホワイトのロック感がわかる好作品に仕上がっています。ジャケットは、ロジャー・ディーンが担当しています。

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