ROCK STANDARD 025 THE ROLLING STONES |
ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています |
![]() 01 IF YOU CAN'T ROCK ME 02 AIN'T TOO PROUD TO BEG 03 IT'S ONLY ROCK'N ROLL(BUT I LIKE IT) 04 TILL THE NEXT GOODBYE 05 TIME WAITS FOR NO ONE 06 LUXURY 07 DANCE LITTLE SISITER 08 IF YOU REALLY WANT TO BE MY FRIEND 09 SHORT AND CURLIES FINGERPRINT FILE MICK JAGGER : Vocal, Guitar KEITH RICHARDS : Guitar, Vo, Bass CHARLIE WATTS : Drums BILL WYMAN : Bass, Synthesizer MICK TAYLOR : Guitar, Vo, Synthesizer, Bass, Conga BILLY PRESTON : Piano, Clavinet on 1,2,10 NICKY HOPKINS : Piano on 4,5,6,8,10 IAN STEWART : Piano on 3,7,9 PRODUCED by THE GLIMMER TWINS |
アメリカが変わればストーンズも変わる。アメリカではメローなソウルの全盛期、その影響なのか、黒さを抑えた曲が多数収められている傑作アルバム。今までのストーンズからは想像できないくらい軽くメロディアスな曲が目立ちます。 このアルバムは、ストーンズにとって転機になったアルバムです。プロデューサーとして『BEGGARS BANQUET』以来の永い付き合いだったジミー・ミラーの名前がクレジットされておらず、グリッター・ツインズ(ミック・ジャガー、キース・リチャード)名になっていたり、ホーンセクションも参加が無し、このアルバムを最後にミック・テイラーもグループを去っていきます。ミック・テイラーの置き土産にでもするつもりだったのか、ミック・テイラーのメロウな魅力が満載の曲ばかりです。キースは、相変わらずヨタっていますが。 まずは、定番ともいえるキースのカッティングにミック・テイラーのリードが絡むスタイルの曲で始まります。何とも安心できる始まり方です。珍しくパンチの効いたベースだなと思ったら、キースが弾いているみたいです。2曲目は、テンプテーションが1966年にヒットさせた曲のカヴァーです。すっかりストーンズの曲といってもいいくらいの出来上がりで、ビリー・プレストンのかっこいいピアノが印象的です。ヨタったようなリードギターも効果的です。クレジットに「inspiration by Ronnie Wood」とある3曲目は、ロニー・ウッドの自宅での出来事が元で出来上がった曲です。セッション中にドラミングのことで意見の相違があり、ミック・ジャガーとケニー・ジョーンズ(フェイセズ)の間で、『たかがロックンロールじゃないか』という問いに対し『でも好きなんだ』というやり取りがなされたとか。4曲目は、グラム・パーソンズとの交流を思い出させるカントリー・バラード。ミック・ジャガーの声とアコースティック・ギターが上手くマッチした美しい曲です。5曲目は、ミック・テイラーの独壇場といった感じのメロウな曲で、シンセサイザーの導入も効果的です。次第にドラマティックに盛り上がっていく構成も秀逸です。 6曲目からはアナログではB面になります。珍しくレゲエ調の曲なのです。ストーンズの定番の展開に軽く取り入れてみましたが、いかがでしょうかという感じです。7曲目は、イアン・ステュアートのスイングするピアノとブルージーなミック・テイラーのギターが心地よい曲で、従来のストーンズの黒さが出た作品です。フィラデルフィア・ソウルのグループ、ブルー・マジックが参加した8曲目は、やさしく迫る驚きのナンバーです。ニッキー・ホプキンスの繊細なタッチが光る美しい曲です。9曲目は、前作におけるセッション。ホンキートンク調のピアノに絡む歌やギターが魅力的なナンバーです。最後は、ミック・ジャガーのギター、ミック・テイラーのベース、キースのカッティング、ハイハットのドラミングなど珍しい構成で迫るファンキーなナンバーです。ビル・ワイマンによるシンセサイザーも奇妙な?雰囲気を出すのに効果的なのです。 米国では見事にアルバム・チャートで第一位を獲得したものの、本家本元の英国では、ベイ・シティ・ローラーズに負けてしまい?第二位に甘んじてしまいました。奇抜なジャケットの所為かも? |