ROCK STANDARD 022 DEEP PURPLE |
ROCK STANDARDは、70年代を中心にロックに変革をもたらした名盤・迷盤を紹介しています |
![]() 01 COMIN' HOME 02 LADY LUCK 03 GETTIN' TIGHTER 04 DEALER 05 I NEED LOVE 06 DRIFTER 07 LOVE CHILD 08 a)THIS TIME AROUND b)OWED TO'G' 09YOU KEEP ON MOVING TOMMY BOLIN : Guitar DAVID COVERDALE : Vocal GLENN HUGHES : Bass, Vo. IAN PAICE : Drums JON LORD : Keyboard |
評価が低く、あまり語られる事がありませんが、第4期パープルの名盤であると同時にハード・ロックの発展の中においては歴史的な名盤だと思います。デヴィッド・カヴァーデイル、グレン・ヒューズの加入によりアメリカナイズされた音に変化し名作『BURN』を発表しますが、その後は中途半端な活動になり、ブラックモアの脱退という危機的状態に陥ります。前作『STORMBRINGER』の統一感のなさには、正直がっかりしたものでした。 ジェームス・ギャングなどで活躍しフージョン系のアルバムにも参加していた天才ギタリストのトミー・ボーリンの参加は、それまでの煮え切らなかったメンバーの意識を一気に高揚させるにあまりある出来事でした。ジャケットを見たときから、それまでの路線とは明らかに違うな、と予感できるものですし、音のほうもパープル色は残しつつよりファンキーにヘヴィーになってかっこいいパープルが帰ってきました。 1曲目は、これまでのパープルを色濃く残した曲で、これまでの鬱憤を晴らすかのようにジョン・ロードのキーボードが大活躍しています。新生パープルのファンキーかつヘヴィーなスタイルが気持ちいい2曲目。3曲目は、ボーリンのカッティング奏法で始まる切れ味鋭い曲です。ギターは多重録音してあり聴き応え抜群。間奏でファンキーな部分がありますが、これがまた洒落ていて好きな曲です。4曲目は、カヴァーデイルのソウルフルな歌声が抜群なハード・ブルース。中ほどにボーリン独特のメロディーが出てきますが、セカンド・ソロ・アルバムにそっくりのメロディーがあります。5曲目もカヴァーデイルのソウルフルな歌声が特徴のファンキーな曲です。6曲目は、重量感のあるギター・リフが素敵です。ボーリンの多重録音によるギターによりヘヴィーですが暗くならずにすんでます。曲構成がすばらしい事も付け加えておきましょう。最後の〆も絶品です。続いてもヘヴィーなナンバーで、グレン・ヒューズの得意技?的な曲。この曲も構成に凝っていて、聴き応え十分です。8曲目は、私がもっとも気に入っている曲です。ヴォーカル入りの前半とインストの後半に分かれています。前半は、ピアノの伴奏であくまでもやさしく、美しく歌い上げられ、後半は、トミー・ボーリンのギターの凄さが堪能できます。ドラマチックでしびれる曲です。最後の曲は、ハーモニーを生かした名曲です。静かに始まり、ヘヴィーに展開していく心憎い演出が大好きです。 全体のまとまりは、『IN ROCK』に勝るとも劣らない出来栄えです。パープルの名前を外してでも70年代の歴史的名盤に加えたいアルバムなのです。グレン・ヒューズとトミー・ボーリンのドラッグ禍によりバンドは解散を余儀なくされましたが、そのまま続いていたら、と思うのは、いけないことでしょうか? |